複素関数 $f(z)$ が与えられたとき、$f(z)$ が微分可能かどうかを調べ、微分可能であれば $z = \alpha$ における微分係数 $f'(\alpha)$ を求めます。ただし、$\alpha$ は任意の値です。 与えられた複素関数は次の4つです。 (1) $f(z) = z^4$ (2) $f(z) = |z|^2$ (3) $f(z) = \frac{z}{z^2 + 1}$ (4) $f(z) = (1 + e^{iz})^2$
2025/5/28
1. 問題の内容
複素関数 が与えられたとき、 が微分可能かどうかを調べ、微分可能であれば における微分係数 を求めます。ただし、 は任意の値です。
与えられた複素関数は次の4つです。
(1)
(2)
(3)
(4)
2. 解き方の手順
(1) の場合
は の多項式なので、複素平面全体で微分可能です。
よって、
(2) の場合
とすると、 となります。
と表すと、 であり、 です。
コーシー・リーマンの方程式は次のようになります。
および
,
,
コーシー・リーマンの方程式を満たすのは かつ のときのみ、つまり かつ のときのみです。
したがって、 は でのみ微分可能であり、それ以外では微分不可能です。
で微分可能なので、
を求めるとすれば、 の場合に限り
(3) の場合
は有理関数であり、 となる点 以外では微分可能です。
よって、 (ただし、)
(4) の場合
は指数関数を含む関数ですが、 は複素平面全体で微分可能なので、 も複素平面全体で微分可能です。
よって、
3. 最終的な答え
(1)
(2) (の場合のみ微分可能)
(3) (ただし、)
(4)