右図のような水系配管において、空気が $v_2 = 25 \text{ m/s}$ の速度で出口②から外部へ吹き出している。中央の縮小管の下部には細管が取り付けられており、容器から水を $H = 200 \text{ mm}$ だけ吸い上げている。断面①の管径 $d$ と出口の断面②の管径 $D$ の比 $D/d$ を求める問題である。ただし、容器の周囲の圧力は大気圧 $p_0$ とし、出口の断面②の圧力も大気圧に等しい($p_2 = p_0$)とする。空気は非圧縮性流体であり定常流れとして扱う。 (1) 断面①と②の間の連続の式を求める。ただし断面①での流速を $v_1$ とする。 (2) 断面①と②の間のベルヌーイの式を求める。ただし断面①での圧力を $p_1$ とする。また、空気の密度を $\rho_a$ とする。 (3) 上の連続の式をベルヌーイの式に代入し、$p_0 - p_1$ について $v_2$ を用いて途中の経過も併せて示す。

応用数学流体力学ベルヌーイの定理連続の式非圧縮性流体
2025/5/28

1. 問題の内容

右図のような水系配管において、空気が v2=25 m/sv_2 = 25 \text{ m/s} の速度で出口②から外部へ吹き出している。中央の縮小管の下部には細管が取り付けられており、容器から水を H=200 mmH = 200 \text{ mm} だけ吸い上げている。断面①の管径 dd と出口の断面②の管径 DD の比 D/dD/d を求める問題である。ただし、容器の周囲の圧力は大気圧 p0p_0 とし、出口の断面②の圧力も大気圧に等しい(p2=p0p_2 = p_0)とする。空気は非圧縮性流体であり定常流れとして扱う。
(1) 断面①と②の間の連続の式を求める。ただし断面①での流速を v1v_1 とする。
(2) 断面①と②の間のベルヌーイの式を求める。ただし断面①での圧力を p1p_1 とする。また、空気の密度を ρa\rho_a とする。
(3) 上の連続の式をベルヌーイの式に代入し、p0p1p_0 - p_1 について v2v_2 を用いて途中の経過も併せて示す。

2. 解き方の手順

(1) 連続の式
非圧縮性流体なので、体積流量は一定である。したがって、断面①と断面②において、
A1v1=A2v2A_1 v_1 = A_2 v_2
ここで、A1A_1 は断面①の面積、A2A_2 は断面②の面積である。
A1=π(d/2)2=πd24A_1 = \pi (d/2)^2 = \frac{\pi d^2}{4}
A2=π(D/2)2=πD24A_2 = \pi (D/2)^2 = \frac{\pi D^2}{4}
したがって、連続の式は、
πd24v1=πD24v2\frac{\pi d^2}{4} v_1 = \frac{\pi D^2}{4} v_2
d2v1=D2v2d^2 v_1 = D^2 v_2
(2) ベルヌーイの式
断面①と断面②の間でベルヌーイの式を適用する。
p1+12ρav12=p2+12ρav22p_1 + \frac{1}{2} \rho_a v_1^2 = p_2 + \frac{1}{2} \rho_a v_2^2
ここで、p1p_1 は断面①の圧力、v1v_1 は断面①の流速、p2p_2 は断面②の圧力、v2v_2 は断面②の流速、ρa\rho_a は空気の密度である。
問題文より、p2=p0p_2 = p_0 なので、
p1+12ρav12=p0+12ρav22p_1 + \frac{1}{2} \rho_a v_1^2 = p_0 + \frac{1}{2} \rho_a v_2^2
(3) p0p1p_0 - p_1 について
連続の式より、v1=D2d2v2v_1 = \frac{D^2}{d^2} v_2 である。これをベルヌーイの式に代入する。
p1+12ρa(D2d2v2)2=p0+12ρav22p_1 + \frac{1}{2} \rho_a \left( \frac{D^2}{d^2} v_2 \right)^2 = p_0 + \frac{1}{2} \rho_a v_2^2
p0p1=12ρa(D4d4v22v22)=12ρav22(D4d41)p_0 - p_1 = \frac{1}{2} \rho_a \left( \frac{D^4}{d^4} v_2^2 - v_2^2 \right) = \frac{1}{2} \rho_a v_2^2 \left( \frac{D^4}{d^4} - 1 \right)

3. 最終的な答え

(1) d2v1=D2v2d^2 v_1 = D^2 v_2
(2) p1+12ρav12=p0+12ρav22p_1 + \frac{1}{2} \rho_a v_1^2 = p_0 + \frac{1}{2} \rho_a v_2^2
(3) p0p1=12ρav22(D4d41)p_0 - p_1 = \frac{1}{2} \rho_a v_2^2 \left( \frac{D^4}{d^4} - 1 \right)

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