カリウムの炎色反応で観測される3つの波長(404 nm, 767 nm, 770 nm)の光子1個あたりのエネルギーと運動量をそれぞれ求めます。

応用数学物理化学光電効果ド・ブロイ波長エネルギー運動量波長
2025/5/29
## 問題の解答
以下に、問題の内容、解き方の手順、最終的な答えを記載します。
### 問題3.1

1. 問題の内容

カリウムの炎色反応で観測される3つの波長(404 nm, 767 nm, 770 nm)の光子1個あたりのエネルギーと運動量をそれぞれ求めます。

2. 解き方の手順

光子のエネルギー EE は以下の式で計算できます。
E=hν=hcλE = h \nu = \frac{hc}{\lambda}
ここで、hh はプランク定数 (6.626×1034Js6.626 \times 10^{-34} Js)、cc は光速 (3.00×108m/s3.00 \times 10^8 m/s)、λ\lambda は波長です。
光子の運動量 pp は以下の式で計算できます。
p=hλ=Ecp = \frac{h}{\lambda} = \frac{E}{c}
各波長について、エネルギーと運動量を計算します。
* 404 nm:
E=(6.626×1034Js)(3.00×108m/s)404×109m=4.92×1019JE = \frac{(6.626 \times 10^{-34} Js)(3.00 \times 10^8 m/s)}{404 \times 10^{-9} m} = 4.92 \times 10^{-19} J
p=4.92×1019J3.00×108m/s=1.64×1027kgm/sp = \frac{4.92 \times 10^{-19} J}{3.00 \times 10^8 m/s} = 1.64 \times 10^{-27} kg \cdot m/s
* 767 nm:
E=(6.626×1034Js)(3.00×108m/s)767×109m=2.59×1019JE = \frac{(6.626 \times 10^{-34} Js)(3.00 \times 10^8 m/s)}{767 \times 10^{-9} m} = 2.59 \times 10^{-19} J
p=2.59×1019J3.00×108m/s=8.63×1028kgm/sp = \frac{2.59 \times 10^{-19} J}{3.00 \times 10^8 m/s} = 8.63 \times 10^{-28} kg \cdot m/s
* 770 nm:
E=(6.626×1034Js)(3.00×108m/s)770×109m=2.58×1019JE = \frac{(6.626 \times 10^{-34} Js)(3.00 \times 10^8 m/s)}{770 \times 10^{-9} m} = 2.58 \times 10^{-19} J
p=2.58×1019J3.00×108m/s=8.60×1028kgm/sp = \frac{2.58 \times 10^{-19} J}{3.00 \times 10^8 m/s} = 8.60 \times 10^{-28} kg \cdot m/s

3. 最終的な答え

* 404 nm: エネルギー 4.92×1019J4.92 \times 10^{-19} J, 運動量 1.64×1027kgm/s1.64 \times 10^{-27} kg \cdot m/s
* 767 nm: エネルギー 2.59×1019J2.59 \times 10^{-19} J, 運動量 8.63×1028kgm/s8.63 \times 10^{-28} kg \cdot m/s
* 770 nm: エネルギー 2.58×1019J2.58 \times 10^{-19} J, 運動量 8.60×1028kgm/s8.60 \times 10^{-28} kg \cdot m/s
### 問題3.2

1. 問題の内容

セシウムの仕事関数が188 kJ/molであるとき、波長255 nmの紫外線を照射した場合に飛び出してくる電子の運動エネルギーの最大値と速度の最大値を求めます。

2. 解き方の手順

光電効果の式を用います。
E=hν=W+KEmaxE = h\nu = W + KE_{max}
ここで、EE は入射光のエネルギー、WW は仕事関数、KEmaxKE_{max} は放出される電子の最大運動エネルギーです。
仕事関数を1個あたりのエネルギーに変換します。
W=188×103J/mol6.022×1023/mol=3.12×1019JW = \frac{188 \times 10^3 J/mol}{6.022 \times 10^{23} /mol} = 3.12 \times 10^{-19} J
入射光のエネルギーを計算します。
E=hcλ=(6.626×1034Js)(3.00×108m/s)255×109m=7.79×1019JE = \frac{hc}{\lambda} = \frac{(6.626 \times 10^{-34} Js)(3.00 \times 10^8 m/s)}{255 \times 10^{-9} m} = 7.79 \times 10^{-19} J
最大運動エネルギーを計算します。
KEmax=EW=7.79×1019J3.12×1019J=4.67×1019JKE_{max} = E - W = 7.79 \times 10^{-19} J - 3.12 \times 10^{-19} J = 4.67 \times 10^{-19} J
電子の最大速度を計算します。
KEmax=12mv2KE_{max} = \frac{1}{2}mv^2
v=2KEmaxm=2(4.67×1019J)9.109×1031kg=1.01×106m/sv = \sqrt{\frac{2KE_{max}}{m}} = \sqrt{\frac{2(4.67 \times 10^{-19} J)}{9.109 \times 10^{-31} kg}} = 1.01 \times 10^6 m/s

3. 最終的な答え

電子の運動エネルギーの最大値: 4.67×1019J4.67 \times 10^{-19} J
電子の速度の最大値: 1.01×106m/s1.01 \times 10^6 m/s
### 問題3.3

1. 問題の内容

Br2分子の結合エネルギーが190 kJ/molであるとき、Br2分子を光で分解させるために必要な光の波長の最大値を求めます。

2. 解き方の手順

光のエネルギーがBr2分子の結合エネルギー以上である必要があります。
結合エネルギーを1分子あたりのエネルギーに変換します。
E=190×103J/mol6.022×1023/mol=3.15×1019JE = \frac{190 \times 10^3 J/mol}{6.022 \times 10^{23} /mol} = 3.15 \times 10^{-19} J
波長を計算します。
λ=hcE=(6.626×1034Js)(3.00×108m/s)3.15×1019J=6.31×107m=631nm\lambda = \frac{hc}{E} = \frac{(6.626 \times 10^{-34} Js)(3.00 \times 10^8 m/s)}{3.15 \times 10^{-19} J} = 6.31 \times 10^{-7} m = 631 nm

3. 最終的な答え

光の波長は631 nm以下でなければならない。
### 問題3.4

1. 問題の内容

298 Kで平均速度 1.8 x 10^3 m/s で飛行しているH2分子のド・ブロイ波長を求めます。

2. 解き方の手順

ド・ブロイ波長 λ\lambda は以下の式で計算できます。
λ=hp=hmv\lambda = \frac{h}{p} = \frac{h}{mv}
ここで、hh はプランク定数 (6.626×1034Js6.626 \times 10^{-34} Js)、mm は分子の質量、vv は速度です。
H2分子の質量を求めます。H2の分子量は2.016 g/molなので、1分子の質量は
m=2.016×103kg/mol6.022×1023/mol=3.35×1027kgm = \frac{2.016 \times 10^{-3} kg/mol}{6.022 \times 10^{23} /mol} = 3.35 \times 10^{-27} kg
ド・ブロイ波長を計算します。
λ=6.626×1034Js(3.35×1027kg)(1.8×103m/s)=1.10×1010m=0.110nm\lambda = \frac{6.626 \times 10^{-34} Js}{(3.35 \times 10^{-27} kg)(1.8 \times 10^3 m/s)} = 1.10 \times 10^{-10} m = 0.110 nm

3. 最終的な答え

ド・ブロイ波長は0.110 nmです。
### 問題3.5

1. 問題の内容

炭素原子において、2s軌道の電子が同じスピン磁気量子数をもつことはあるか、また2p軌道の電子ではどうかを考察します。

2. 解き方の手順

パウリの排他原理によれば、1つの原子内の2つの電子が同じ4つの量子数(主量子数n、方位量子数l、磁気量子数ml、スピン量子数ms)を持つことはありません。
* 2s軌道の場合: 2s軌道には2つの電子が存在します。これらの電子は、主量子数n=2、方位量子数l=0、磁気量子数ml=0の3つの量子数が同じです。しかし、パウリの排他原理により、スピン量子数msはそれぞれ+1/2と-1/2でなければなりません。したがって、2s軌道の2つの電子が同じスピン磁気量子数をもつことはありません。
* 2p軌道の場合: 2p軌道には6つの電子を収容できます。炭素原子の場合、2p軌道には2つの電子が存在します。これらの電子は、それぞれ異なる軌道(px, py, pz)に入ることができます。もし、2つの電子が同じ軌道に入った場合、磁気量子数は同じになります。しかし、スピン磁気量子数は異なる値をとる必要があります。2つの電子が異なる軌道に入った場合、磁気量子数は異なる値をとります。そして、それぞれの電子のスピン磁気量子数は+1/2または-1/2をとることができます。したがって、2p軌道の電子でも、量子数の組み合わせによっては同じスピン磁気量子数を持つ電子が存在しえます。

3. 最終的な答え

2s軌道の電子が同じスピン磁気量子数をもつことはありません。
2p軌道の電子は、量子数の組み合わせによっては同じスピン磁気量子数を持つ可能性があります。

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