問題は以下の2つです。 a) 2次元スカラー場 $z = y^2$ の勾配 (grad $z$) を計算し、得られた2次元ベクトル場を第1象限から第4象限で図示する。 b) 2次元速度ベクトル場 $\vec{v} = 3y\vec{j}$ の発散 (div $\vec{v}$) を計算し、div $\vec{v}$ の値の意味を説明する。

応用数学ベクトル解析勾配発散スカラー場ベクトル場偏微分
2025/5/30

1. 問題の内容

問題は以下の2つです。
a) 2次元スカラー場 z=y2z = y^2 の勾配 (grad zz) を計算し、得られた2次元ベクトル場を第1象限から第4象限で図示する。
b) 2次元速度ベクトル場 v=3yj\vec{v} = 3y\vec{j} の発散 (div v\vec{v}) を計算し、div v\vec{v} の値の意味を説明する。

2. 解き方の手順

a) スカラー場 z=y2z = y^2 の勾配を計算します。勾配は、各方向への偏微分を成分とするベクトルです。つまり、
grad z=z=zxi+zyj\text{grad } z = \nabla z = \frac{\partial z}{\partial x} \vec{i} + \frac{\partial z}{\partial y} \vec{j}
ここで、z=y2z = y^2 なので、偏微分は次のようになります。
zx=0\frac{\partial z}{\partial x} = 0
zy=2y\frac{\partial z}{\partial y} = 2y
したがって、
grad z=0i+2yj=2yj\text{grad } z = 0\vec{i} + 2y\vec{j} = 2y\vec{j}
このベクトル場を図示します。ベクトル場の各点(x,y)(x, y)におけるベクトルは (0,2y)(0, 2y) で与えられます。つまり、xx成分は常に0であり、yy成分は2y2yです。第1象限 (x>0,y>0x>0, y>0) では、yy成分は正の値となり、上向きのベクトルとなります。第2象限 (x<0,y>0x<0, y>0) でも同様に上向きのベクトルとなります。第3象限 (x<0,y<0x<0, y<0) では、yy成分は負の値となり、下向きのベクトルとなります。第4象限 (x>0,y<0x>0, y<0) でも同様に下向きのベクトルとなります。また、y=0y=0 の線上では、ベクトルはゼロベクトルとなります。
b) 速度ベクトル場 v=3yj\vec{v} = 3y\vec{j} の発散を計算します。発散は、ベクトル場の各成分の空間微分を足し合わせたものです。2次元の場合、
div v=v=vxx+vyy\text{div } \vec{v} = \nabla \cdot \vec{v} = \frac{\partial v_x}{\partial x} + \frac{\partial v_y}{\partial y}
ここで、v=3yj\vec{v} = 3y\vec{j} なので、vx=0v_x = 0vy=3yv_y = 3y です。したがって、偏微分は次のようになります。
vxx=(0)x=0\frac{\partial v_x}{\partial x} = \frac{\partial (0)}{\partial x} = 0
vyy=(3y)y=3\frac{\partial v_y}{\partial y} = \frac{\partial (3y)}{\partial y} = 3
したがって、
div v=0+3=3\text{div } \vec{v} = 0 + 3 = 3
div v=3\vec{v} = 3 は定数であり、正の値です。これは、このベクトル場が空間の各点において湧き出し源であることを意味します。つまり、ある微小領域から流れ出す流体の量が、流れ込む流体の量よりも多いことを示しています。

3. 最終的な答え

a) grad z=2yj\text{grad } z = 2y\vec{j}
(ベクトル場の図示については、説明を参照)
b) div v=3\text{div } \vec{v} = 3
div v=3\vec{v} = 3 は、ベクトル場が湧き出し源であることを意味します。

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