複素数 $\alpha, \beta, \gamma$ は以下の条件 (*) を満たすとする。 (*) $|\alpha - 2| = 1$, $|\beta - i| = 2$, $|\gamma| = |\gamma - 2|$, $-3 \leq Im(\gamma) \leq 3$ このとき、次の問いに答えよ。 (1) 複素数 $\alpha + \beta$ の動きうる領域を図示せよ。 (2) 複素数 $(\alpha - 2)(\beta - i)$ の動きうる領域を図示せよ。 (3) 複素数 $\alpha + \gamma$ の動きうる領域を図示せよ。 (4) 複素数 $(\gamma - 1)(\beta - i)$ の動きうる領域を図示せよ。 (5) 複素数 $\beta_0$ を $|\beta_0 - i| = 2$ を満たす定数とする。 $(\alpha - 1)(\beta_0 - 1)(\gamma - 1)$ の動きうる領域の面積が $180\pi$ となるときの $\beta_0$ の値を求めよ。
2025/5/29
1. 問題の内容
複素数 は以下の条件 (*) を満たすとする。
(*) , , ,
このとき、次の問いに答えよ。
(1) 複素数 の動きうる領域を図示せよ。
(2) 複素数 の動きうる領域を図示せよ。
(3) 複素数 の動きうる領域を図示せよ。
(4) 複素数 の動きうる領域を図示せよ。
(5) 複素数 を を満たす定数とする。 の動きうる領域の面積が となるときの の値を求めよ。
2. 解き方の手順
(1) より、 は中心 、半径 の円周上を動く。 より、 は中心 、半径 の円周上を動く。よって、, と表せる。
となる。
の中心は であり、 より、 は中心 、半径 の円の内部または円周上を動く。
(2) より、 は中心 、半径 の円周上を動く。 より、 は中心 、半径 の円周上を動く。
は、中心 、半径 の円周上を動く。
(3) は、 が と を結ぶ線分の垂直二等分線上を動くことを意味する。すなわち、 は を満たす直線上を動く。さらに、 であるから、 は直線 上の の部分を動く。
は 上を動くので、 は を中心とする半径1の円周上を動く。 なので、中心は であり、 から まで動く。
は、中心が から まで動く半径1の円の通過領域である。
(4) は中心 、半径 の線分上を動く。。 は中心 、半径 の円周上を動く。よって、 は複素数の積なので、 はスカラー倍になることを利用する。
の動きうる領域は、中心 、半径 の円の の部分である。
(5) より、 と表せる。
は中心 、半径 の円周上を動くので、 である。 は 上の の部分を動くので、 は の範囲を動く。 の面積が となるときの を求める。
の範囲は円周上で , の範囲は直線で を動くので、 は, 面積がである。
の動きうる領域の面積は となる。
したがって,
より、
これは不可能。
3. 最終的な答え
(1) 中心 , 半径 の円の内部と円周上
(2) 中心 , 半径 の円周上
(3) 領域は、中心が から まで動く半径1の円の通過領域
(4) 複素平面上の線分
(5) の値は求まらない。