実数全体で定義された関数 $f(x)$ が以下の条件を満たす。 (I) 全ての実数 $x$ に対して、$f(x) > -1$ (II) $f'(0) = 1$ (III) 全ての実数 $x, y$ に対して、$f(x+y) = f(x) + f(y) + f(x)f(y)$ このとき、以下の問いに答える。 (1) $f(0)$ の値を求めよ。 (2) 関数 $f(x)$ は全ての $x$ で微分可能であることを示し、$f'(x)$ を $f(x)$ を用いて表せ。 (3) 関数 $g(x)$ を $g(x) = \log(1+f(x))$ で定める。$g'(x)$ と $f(x)$ を求めよ。

はい、承知いたしました。問題文を読み解き、丁寧に解答を作成します。

1. 問題の内容

実数全体で定義された関数 $f(x)$ が以下の条件を満たす。

(I) 全ての実数 $x$ に対して、$f(x) > -1$

(II) $f'(0) = 1$

(III) 全ての実数 $x, y$ に対して、$f(x+y) = f(x) + f(y) + f(x)f(y)$

このとき、以下の問いに答える。

(1) $f(0)$ の値を求めよ。

(2) 関数 $f(x)$ は全ての $x$ で微分可能であることを示し、$f'(x)$ を $f(x)$ を用いて表せ。

(3) 関数 $g(x)$ を $g(x) = \log(1+f(x))$ で定める。$g'(x)$ と $f(x)$ を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $f(0)$ の値を求める。

条件 (III) において、$x=0$, $y=0$ とすると、

$f(0+0) = f(0) + f(0) + f(0)f(0)$

$f(0) = 2f(0) + f(0)^2$

$f(0)^2 + f(0) = 0$

$f(0)[f(0)+1] = 0$

よって、$f(0) = 0$ または $f(0) = -1$

条件 (I) より、$f(x) > -1$ なので、$f(0) = -1$ は不適。

したがって、$f(0) = 0$

(2) 関数 $f(x)$ の微分可能性を示す。

$f(x+h) = f(x) + f(h) + f(x)f(h)$

$f(x+h) - f(x) = f(h) + f(x)f(h) = f(h)(1+f(x))$

$\frac{f(x+h)-f(x)}{h} = \frac{f(h)}{h}(1+f(x))$

$f'(x) = \lim_{h\to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{h} = (1+f(x))\lim_{h\to 0} \frac{f(h)}{h}$

ここで、$\lim_{h\to 0} \frac{f(h)}{h} = \lim_{h\to 0} \frac{f(0+h) - f(0)}{h} = f'(0)$

条件 (II) より、$f'(0)=1$ なので、

$f'(x) = (1+f(x))f'(0) = 1+f(x)$

よって、$f'(x)$ が存在するので、$f(x)$ は微分可能であり、$f'(x) = 1 + f(x)$

(3) $g(x) = \log(1+f(x))$ について、$g'(x)$ と $f(x)$ を求める。

$g(x) = \log(1+f(x))$ を微分すると、

$g'(x) = \frac{f'(x)}{1+f(x)}$

(2)より、$f'(x) = 1 + f(x)$ なので、

$g'(x) = \frac{1+f(x)}{1+f(x)} = 1$

$g(x) = \log(1+f(x))$ より、$e^{g(x)} = 1 + f(x)$

よって、$f(x) = e^{g(x)} - 1$

3. 最終的な答え

(1) $f(0) = 0$

(2) $f'(x) = 1 + f(x)$

(3) $g'(x) = 1$ , $f(x) = e^{g(x)} - 1$