与えられた問題は、数列 $(1 - \frac{1}{n^2})^n$ の $n$ が無限大に近づくときの極限値を求める問題です。つまり、 $\lim_{n \to \infty} (1 - \frac{1}{n^2})^n$ を計算します。

解析学極限数列対数テイラー展開
2025/5/30

1. 問題の内容

与えられた問題は、数列 (11n2)n(1 - \frac{1}{n^2})^nnn が無限大に近づくときの極限値を求める問題です。つまり、
limn(11n2)n\lim_{n \to \infty} (1 - \frac{1}{n^2})^n
を計算します。

2. 解き方の手順

まず、この極限を直接計算するのは難しいので、対数をとって考えます。
y=(11n2)ny = (1 - \frac{1}{n^2})^n とおきます。
両辺の自然対数をとると、
lny=ln(11n2)n=nln(11n2)\ln y = \ln (1 - \frac{1}{n^2})^n = n \ln(1 - \frac{1}{n^2})
となります。
ここで、nn \to \infty のとき 1n20\frac{1}{n^2} \to 0 なので、ln(1+x)x\ln(1+x) \approx x (x0x \approx 0) という近似を利用できます。
つまり、
ln(11n2)1n2\ln(1 - \frac{1}{n^2}) \approx - \frac{1}{n^2}
と近似できます。
したがって、
lnyn(1n2)=1n\ln y \approx n (-\frac{1}{n^2}) = - \frac{1}{n}
よって、
limnlny=limn1n=0\lim_{n \to \infty} \ln y = \lim_{n \to \infty} - \frac{1}{n} = 0
lny0\ln y \to 0 なので、ye0=1y \to e^0 = 1 となります。
厳密に解くには、ln(1+x)\ln(1+x) のテイラー展開を用います。ln(1+x)=xx22+x33\ln(1+x) = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \dots ですから、
lny=nln(11n2)=n(1n212n413n6)=1n12n313n5\ln y = n \ln(1 - \frac{1}{n^2}) = n (-\frac{1}{n^2} - \frac{1}{2n^4} - \frac{1}{3n^6} - \dots) = -\frac{1}{n} - \frac{1}{2n^3} - \frac{1}{3n^5} - \dots
よって、
limnlny=limn(1n12n313n5)=0\lim_{n \to \infty} \ln y = \lim_{n \to \infty} (-\frac{1}{n} - \frac{1}{2n^3} - \frac{1}{3n^5} - \dots) = 0
なので、
limny=e0=1\lim_{n \to \infty} y = e^0 = 1

3. 最終的な答え

1

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