ラプラス変換を用いて、微分方程式 $y'' + 4y = \sin t$ を解け。初期条件は特に指定されていません。

応用数学微分方程式ラプラス変換線形微分方程式
2025/5/31

1. 問題の内容

ラプラス変換を用いて、微分方程式 y+4y=sinty'' + 4y = \sin t を解け。初期条件は特に指定されていません。

2. 解き方の手順

(1) ラプラス変換を適用する。Y(s)=L{y(t)}Y(s) = L\{y(t)\}と置く。
ラプラス変換の性質より、以下が成り立つ。
L{y}=s2Y(s)sy(0)y(0)L\{y''\} = s^2Y(s) - sy(0) - y'(0)
L{sint}=1s2+1L\{\sin t\} = \frac{1}{s^2+1}
したがって、与えられた微分方程式のラプラス変換は
s2Y(s)sy(0)y(0)+4Y(s)=1s2+1s^2Y(s) - sy(0) - y'(0) + 4Y(s) = \frac{1}{s^2+1}
(2) Y(s)Y(s)について解く。
Y(s)(s2+4)=1s2+1+sy(0)+y(0)Y(s)(s^2+4) = \frac{1}{s^2+1} + sy(0) + y'(0)
Y(s)=1(s2+1)(s2+4)+sy(0)s2+4+y(0)s2+4Y(s) = \frac{1}{(s^2+1)(s^2+4)} + \frac{sy(0)}{s^2+4} + \frac{y'(0)}{s^2+4}
(3) 部分分数分解を行う。
1(s2+1)(s2+4)=As2+1+Bs2+4\frac{1}{(s^2+1)(s^2+4)} = \frac{A}{s^2+1} + \frac{B}{s^2+4}
1=A(s2+4)+B(s2+1)1 = A(s^2+4) + B(s^2+1)
1=(A+B)s2+(4A+B)1 = (A+B)s^2 + (4A+B)
A+B=0A+B=0
4A+B=14A+B=1
これらを解くとA=1/3A=1/3, B=1/3B=-1/3
したがって、1(s2+1)(s2+4)=131s2+1131s2+4=131s2+1162s2+4\frac{1}{(s^2+1)(s^2+4)} = \frac{1}{3}\frac{1}{s^2+1} - \frac{1}{3}\frac{1}{s^2+4} = \frac{1}{3}\frac{1}{s^2+1} - \frac{1}{6}\frac{2}{s^2+4}
(4) 逆ラプラス変換を行う。
y(t)=L1{Y(s)}=L1{131s2+1162s2+4+sy(0)s2+4+y(0)s2+4}y(t) = L^{-1}\{Y(s)\} = L^{-1}\{\frac{1}{3}\frac{1}{s^2+1} - \frac{1}{6}\frac{2}{s^2+4} + \frac{sy(0)}{s^2+4} + \frac{y'(0)}{s^2+4}\}
y(t)=13L1{1s2+1}16L1{2s2+4}+y(0)L1{ss2+4}+y(0)2L1{2s2+4}y(t) = \frac{1}{3}L^{-1}\{\frac{1}{s^2+1}\} - \frac{1}{6}L^{-1}\{\frac{2}{s^2+4}\} + y(0)L^{-1}\{\frac{s}{s^2+4}\} + \frac{y'(0)}{2}L^{-1}\{\frac{2}{s^2+4}\}
y(t)=13sint16sin2t+y(0)cos2t+y(0)2sin2ty(t) = \frac{1}{3}\sin t - \frac{1}{6}\sin 2t + y(0)\cos 2t + \frac{y'(0)}{2}\sin 2t

3. 最終的な答え

y(t)=13sint16sin2t+y(0)cos2t+y(0)2sin2ty(t) = \frac{1}{3}\sin t - \frac{1}{6}\sin 2t + y(0)\cos 2t + \frac{y'(0)}{2}\sin 2t

「応用数学」の関連問題

GaAs中の電子の移動度 $\mu$ が $8500 \text{ cm}^2/\text{Vs}$、電子密度 $n$ が $1.0 \times 10^{15} \text{ cm}^{-3}$、電...

物理電子工学移動度抵抗率半導体
2025/6/2

室温における銅の抵抗率 $\rho = 1.7 \times 10^{-8} \ [\Omega \cdot m]$、電子密度 $n = 8.5 \times 10^{28} \ [m^{-3}]$で...

物理電気抵抗電子移動度ドリフト速度電界
2025/6/2

3点$(1, 1)$, $(2, 5)$, $(3, 3)$を近似する回帰直線の式を、最小二乗法を用いて求める。

最小二乗法回帰直線線形代数統計
2025/6/2

アルゴンガスを初期体積 $2000 \ cm^3$ から最終体積 $500 \ cm^3$ まで圧縮し、同時に初期温度 $300 \ K$ から最終温度 $400 \ K$ まで加熱した時の、モルエン...

熱力学エントロピー積分対数
2025/6/2

グラフが与えられており、横軸は$V_0$、縦軸は$\theta_{max}$、パラメータは$R$です。$R = 0$の場合のグラフの概形と、ある$V_0$に対する$\theta_{max}$の値がどの...

グラフ解釈物理モデル
2025/6/2

DNAの10塩基対の長さが3.4 nmであるとき、長さが102 μmの2本鎖DNA分子に含まれるヌクレオチドの数を求める。

単位変換比例計算生物学
2025/6/2

ある工場で製品Aと製品Bを製造する。製品Aを1トン作るには原料Pが2トン、原料Qが4トン必要。製品Bを1トン作るには原料Pが6トン、原料Qが2トン必要。1ヶ月あたり、原料Pは140トン、原料Qは120...

線形計画法最適化不等式グラフ
2025/6/1

H国とF国の2国を考え、H国のみに市場が存在する。H国の需要曲線は、$D_H = -2p + 20$ である。最初に、H国の価格が9、F国の価格が8の場合を考える。次に、H国の価格が2、F国の価格が1...

経済学需要曲線価格弾力性収入利益
2025/6/1

ある工場で製品Aと製品Bを生産します。製品A, Bを1トン生産するのに必要な原料P, Qの量と製品A, Bの価格が表で与えられています。この工場へ1日に供給できる原料Pが最大9トン、原料Qが最大8トン...

線形計画法最適化制約条件グラフ
2025/6/1

質量 $m$ [kg] の物体が軽い糸1で天井から吊るされ、水平方向に糸2で引かれている。糸1が天井となす角は $\theta$ [°] である。重力加速度の大きさを $g$ [m/s²] とする。 ...

力学力の釣り合い三角関数ベクトル
2025/6/1