2次元スカラー場 $z = f(x, y)$ における grad $z$ と $z$ の全微分の違いを説明します。

解析学偏微分勾配全微分スカラー場ベクトル場
2025/5/31

1. 問題の内容

2次元スカラー場 z=f(x,y)z = f(x, y) における grad zzzz の全微分の違いを説明します。

2. 解き方の手順

まず、grad zz と全微分の定義を確認します。
- grad zz は、スカラー場 zz の勾配ベクトルを表し、各方向への変化率を示します。2次元の場合、grad zz は次のように定義されます。
grad z=(zx,zy)\text{grad } z = \left( \frac{\partial z}{\partial x}, \frac{\partial z}{\partial y} \right)
これはベクトルであり、各成分は xxyy それぞれの方向への偏微分です。
- 全微分 dzdz は、xxyy の微小な変化に対する zz の変化を表します。全微分は次のように定義されます。
dz=zxdx+zydydz = \frac{\partial z}{\partial x} dx + \frac{\partial z}{\partial y} dy
これはスカラーであり、zz の微小変化を表します。
grad zz と 全微分の違いをまとめると、
* grad zz はベクトルであるのに対し、全微分 dzdz はスカラーである。
* grad zz は各方向への変化率を表すベクトル場であり、全微分 dzdz はある点における関数の微小変化を表す。
* 全微分は、勾配ベクトルと位置ベクトルの内積で表現できる: dz=grad z(dx,dy)dz = \text{grad } z \cdot (dx, dy)

3. 最終的な答え

2次元スカラー場 z=f(x,y)z = f(x, y) において、grad zz(zx,zy)\left( \frac{\partial z}{\partial x}, \frac{\partial z}{\partial y} \right) で表されるベクトルであるのに対し、全微分 dzdzzxdx+zydy\frac{\partial z}{\partial x} dx + \frac{\partial z}{\partial y} dy で表されるスカラーである。 grad zz は関数の変化率の方向と大きさを表すベクトル場であり、全微分 dzdz はある点における関数の微小変化を表す。 全微分は勾配ベクトルと変位ベクトルの内積として表される。

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