$\alpha > 1$ かつ $x > 1$ のとき、以下の不等式が成り立つことを証明する問題です。 $$ \alpha(x-1) < x^\alpha - 1 < \alpha x^{\alpha-1}(x-1) $$

解析学不等式平均値の定理微分関数
2025/5/31

1. 問題の内容

α>1\alpha > 1 かつ x>1x > 1 のとき、以下の不等式が成り立つことを証明する問題です。
α(x1)<xα1<αxα1(x1) \alpha(x-1) < x^\alpha - 1 < \alpha x^{\alpha-1}(x-1)

2. 解き方の手順

まず、f(x)=xαf(x) = x^\alpha とおきます。ここで、f(x)=αxα1f'(x) = \alpha x^{\alpha - 1} となります。
次に、平均値の定理を用います。f(x)f(x)x>0x > 0 で微分可能なので、x>1x > 1 のとき、区間 [1,x][1, x] で平均値の定理が適用できます。
平均値の定理より、
f(x)f(1)x1=f(c) \frac{f(x) - f(1)}{x - 1} = f'(c)
となる cc1<c<x1 < c < x の範囲に存在します。
これを書き換えると、
xα1x1=αcα1 \frac{x^\alpha - 1}{x - 1} = \alpha c^{\alpha - 1}
となります。
ここで、1<c<x1 < c < x であることから、x>1x > 1 かつ α>1\alpha > 1 より、
1<cα1<xα1 1 < c^{\alpha - 1} < x^{\alpha - 1}
が成り立ちます。両辺に α\alpha をかけると、
α<αcα1<αxα1 \alpha < \alpha c^{\alpha - 1} < \alpha x^{\alpha - 1}
となります。
先ほどの式 xα1x1=αcα1\frac{x^\alpha - 1}{x - 1} = \alpha c^{\alpha - 1} を代入すると、
α<xα1x1<αxα1 \alpha < \frac{x^\alpha - 1}{x - 1} < \alpha x^{\alpha - 1}
が得られます。
各辺に (x1)(x - 1) をかけると、x>1x > 1 より x1>0x - 1 > 0 なので、不等号の向きは変わりません。
α(x1)<xα1<αxα1(x1) \alpha(x - 1) < x^\alpha - 1 < \alpha x^{\alpha - 1}(x - 1)
これで証明が完了しました。

3. 最終的な答え

α>1\alpha > 1 かつ x>1x > 1 のとき、
α(x1)<xα1<αxα1(x1) \alpha(x-1) < x^\alpha - 1 < \alpha x^{\alpha-1}(x-1)
が成り立つ。

「解析学」の関連問題

## 1. 問題の内容

導関数極限微分関数の極限
2025/6/2

関数 $x^x$ ($x > 0$)を微分してください。

微分対数微分関数の微分
2025/6/2

与えられた関数について、それぞれの導関数を求める問題です。

導関数微分商の微分公式積の微分公式
2025/6/2

関数 $\frac{e^x}{\log x}$ を微分せよ。

微分関数の微分商の微分
2025/6/2

与えられた微分方程式 $y' + \frac{1}{x}y = \sin x$ の一般解を積分因子を用いて求め、初期条件 $y(\pi) = 1$ を満たす特殊解を求める問題です。ただし、$x > 0...

微分方程式1階線形微分方程式積分因子一般解特殊解部分積分
2025/6/2

与えられた関数のマクローリン展開を求める問題です。 関数は、$f(x) = \log(\frac{e}{1+x})$ で与えられています。

マクローリン展開対数関数級数
2025/6/2

関数 $x^{-3}$ の導関数が $-3x^{-4}$ であることを、導関数の定義を使って説明することを求められています。

導関数微分極限べき乗関数の微分
2025/6/2

$(x^{-3})' = -3x^{-4}$ であることを証明する問題です。

微分べき乗導関数
2025/6/2

広義積分 $\int_{0}^{\infty} xe^{-x^2} dx$ を計算してください。

広義積分積分指数関数変数変換
2025/6/2

次の不定積分を計算する問題です。 $\int \frac{px+q}{(ax+b)(cx+d)} dx$

積分不定積分部分分数分解
2025/6/2