白熱電球を黒体と仮定して、以下の3つの問いに答えます。 (i) 最も強度が高い波長が与えられたとき、ウィーンの変位則を用いて発熱体の温度 $T$ を求めます。 (ii) 発熱体が単位時間・単位面積あたりに放出するエネルギー $W$ を求めます。 (iii) 発熱体の表面積が与えられたとき、放出されるエネルギーを求めます。

応用数学熱力学黒体放射ウィーンの変位則ステファン=ボルツマンの法則
2025/5/31

1. 問題の内容

白熱電球を黒体と仮定して、以下の3つの問いに答えます。
(i) 最も強度が高い波長が与えられたとき、ウィーンの変位則を用いて発熱体の温度 TT を求めます。
(ii) 発熱体が単位時間・単位面積あたりに放出するエネルギー WW を求めます。
(iii) 発熱体の表面積が与えられたとき、放出されるエネルギーを求めます。

2. 解き方の手順

(i) ウィーンの変位則を用いて温度を求めます。ウィーンの変位則は、
λmaxT=b\lambda_{max} T = b
と表されます。ここで、λmax\lambda_{max} は最も強度が高い波長、TT は絶対温度、bb はウィーンの変位定数です (b2.898×103 m Kb \approx 2.898 \times 10^{-3} \text{ m K})。
λmax=1.07μm=1.07×106 m\lambda_{max} = 1.07 \mu \text{m} = 1.07 \times 10^{-6} \text{ m} を代入して、TT を求めます。
T=bλmax=2.898×103 m K1.07×106 m2708.4 KT = \frac{b}{\lambda_{max}} = \frac{2.898 \times 10^{-3} \text{ m K}}{1.07 \times 10^{-6} \text{ m}} \approx 2708.4 \text{ K}
(ii) ステファン=ボルツマンの法則を用いて、単位時間・単位面積あたりに放出するエネルギーを求めます。ステファン=ボルツマンの法則は、
W=σT4W = \sigma T^4
と表されます。ここで、WW は単位面積あたりの放射エネルギー、σ\sigma はステファン=ボルツマン定数 (σ5.67×108 W m2 K4\sigma \approx 5.67 \times 10^{-8} \text{ W m}^{-2} \text{ K}^{-4})、TT は絶対温度です。
求めた温度 TT を代入して、WW を求めます。
W=σT4=5.67×108 W m2 K4×(2708.4 K)43044360.1 W/m2W = \sigma T^4 = 5.67 \times 10^{-8} \text{ W m}^{-2} \text{ K}^{-4} \times (2708.4 \text{ K})^4 \approx 3044360.1 \text{ W/m}^2
(iii) 発熱体の表面積が 0.30 cm20.30 \text{ cm}^2 であるとき、放出されるエネルギーを求めます。表面積を A=0.30 cm2=0.30×104 m2A = 0.30 \text{ cm}^2 = 0.30 \times 10^{-4} \text{ m}^2 とします。
放出されるエネルギーは、W×AW \times A で求められます。
W×A=3044360.1 W/m2×0.30×104 m291.33 WW \times A = 3044360.1 \text{ W/m}^2 \times 0.30 \times 10^{-4} \text{ m}^2 \approx 91.33 \text{ W}

3. 最終的な答え

(i) 発熱体の温度 TT は約 2708.4 K2708.4 \text{ K} です。
(ii) 単位時間・単位面積あたりに放出するエネルギー WW は約 3044360.1 W/m23044360.1 \text{ W/m}^2 です。
(iii) 放出されるエネルギーは約 91.33 W91.33 \text{ W} です。

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