2つの円 $C_1: x^2 + y^2 = 1$ と $C_2: x^2 + (y-a)^2 = \frac{a^2}{4}$ が異なる2点で交わり、そのうちx座標が正である交点をPとする。ただし、$a$ は正の定数である。 (1) $a$ がとりうる値の範囲を求める。 (2) 点Pの座標を $(\cos\theta, \sin\theta)$ とおく。円 $C_1$ 上のPにおける $C_1$ の接線を $l_1$、円 $C_2$ 上のPにおける $C_2$ の接線を $l_2$ とする。$l_1$ と $l_2$ をそれぞれ $\theta$ と $a$ を用いた方程式で表す。 (3) (2) の $l_1$ と $l_2$ が直交するとき、$a$ の値を求める。

幾何学接線座標交点三角関数
2025/6/1

1. 問題の内容

2つの円 C1:x2+y2=1C_1: x^2 + y^2 = 1C2:x2+(ya)2=a24C_2: x^2 + (y-a)^2 = \frac{a^2}{4} が異なる2点で交わり、そのうちx座標が正である交点をPとする。ただし、aa は正の定数である。
(1) aa がとりうる値の範囲を求める。
(2) 点Pの座標を (cosθ,sinθ)(\cos\theta, \sin\theta) とおく。円 C1C_1 上のPにおける C1C_1 の接線を l1l_1、円 C2C_2 上のPにおける C2C_2 の接線を l2l_2 とする。l1l_1l2l_2 をそれぞれ θ\thetaaa を用いた方程式で表す。
(3) (2) の l1l_1l2l_2 が直交するとき、aa の値を求める。

2. 解き方の手順

(1)
2つの円 C1C_1C2C_2 が異なる2点で交わる条件は、中心間の距離が2つの円の半径の和よりも小さく、差よりも大きいことである。
C1C_1 の中心は (0,0)(0, 0)、半径は 11 である。
C2C_2 の中心は (0,a)(0, a)、半径は a2\frac{a}{2} である。
中心間の距離は 0a=a=a|0 - a| = |a| = aaa は正より)。
交わる条件は 1a2<a<1+a21 - \frac{a}{2} < a < 1 + \frac{a}{2} である。
1a2<a1 - \frac{a}{2} < a より 1<3a21 < \frac{3a}{2} 、したがって a>23a > \frac{2}{3}
a<1+a2a < 1 + \frac{a}{2} より a2<1\frac{a}{2} < 1 、したがって a<2a < 2
よって 23<a<2\frac{2}{3} < a < 2
(2)
C1C_1 の点Pにおける接線 l1l_1 の方程式は cosθx+sinθy=1\cos\theta \cdot x + \sin\theta \cdot y = 1 である。
C2C_2 の方程式は x2+(ya)2=a24x^2 + (y - a)^2 = \frac{a^2}{4} である。点P (cosθ,sinθ)(\cos\theta, \sin\theta) を通る。
C2C_2 の中心は (0,a)(0, a)
C2C_2 の点Pにおける接線 l2l_2 は、円の中心と点Pを結ぶ直線に垂直である。
円の中心と点Pを結ぶ直線の傾きは sinθacosθ\frac{\sin\theta - a}{\cos\theta}
よって接線 l2l_2 の傾きは cosθsinθa-\frac{\cos\theta}{\sin\theta - a}
接線 l2l_2 の方程式は ysinθ=cosθsinθa(xcosθ)y - \sin\theta = -\frac{\cos\theta}{\sin\theta - a} (x - \cos\theta) である。
(sinθa)(ysinθ)=cosθ(xcosθ)(\sin\theta - a)(y - \sin\theta) = -\cos\theta (x - \cos\theta)
cosθx+(sinθa)y=cos2θ+sin2θasinθ\cos\theta \cdot x + (\sin\theta - a) y = \cos^2\theta + \sin^2\theta - a\sin\theta
cosθx+(sinθa)y=1asinθ\cos\theta \cdot x + (\sin\theta - a) y = 1 - a\sin\theta
(3)
l1l_1l2l_2 が直交するので、それぞれの傾きの積が 1-1 である。
l1l_1 の傾きは cosθsinθ-\frac{\cos\theta}{\sin\theta}
l2l_2 の傾きは cosθsinθa-\frac{\cos\theta}{\sin\theta - a}
(cosθsinθ)(cosθsinθa)=1\left(-\frac{\cos\theta}{\sin\theta}\right) \left(-\frac{\cos\theta}{\sin\theta - a}\right) = -1
cos2θsinθ(sinθa)=1\frac{\cos^2\theta}{\sin\theta(\sin\theta - a)} = -1
cos2θ=sinθ(sinθa)\cos^2\theta = -\sin\theta(\sin\theta - a)
cos2θ=sin2θ+asinθ\cos^2\theta = -\sin^2\theta + a\sin\theta
cos2θ+sin2θ=asinθ\cos^2\theta + \sin^2\theta = a\sin\theta
1=asinθ1 = a\sin\theta
sinθ=1a\sin\theta = \frac{1}{a}
点P (cosθ,sinθ)(\cos\theta, \sin\theta)C2C_2 上にあるので、cos2θ+(sinθa)2=a24\cos^2\theta + (\sin\theta - a)^2 = \frac{a^2}{4} を満たす。
cos2θ=1sin2θ=11a2\cos^2\theta = 1 - \sin^2\theta = 1 - \frac{1}{a^2}
11a2+(1aa)2=a241 - \frac{1}{a^2} + (\frac{1}{a} - a)^2 = \frac{a^2}{4}
11a2+1a22+a2=a241 - \frac{1}{a^2} + \frac{1}{a^2} - 2 + a^2 = \frac{a^2}{4}
1+a2=a24-1 + a^2 = \frac{a^2}{4}
3a24=1\frac{3a^2}{4} = 1
a2=43a^2 = \frac{4}{3}
a=23=233a = \frac{2}{\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{3}}{3} (a>0a > 0 より)
23<a<2\frac{2}{3} < a < 2 を満たすか確認する。
23=2333=235.196...\frac{2}{3} = \frac{2\sqrt{3}}{3\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{3}}{5.196...}
a=23321.7323=3.46431.155a = \frac{2\sqrt{3}}{3} \approx \frac{2 \cdot 1.732}{3} = \frac{3.464}{3} \approx 1.155
23<233<2\frac{2}{3} < \frac{2\sqrt{3}}{3} < 2 は正しい。

3. 最終的な答え

(1) 23<a<2\frac{2}{3} < a < 2
(2) l1:cosθx+sinθy=1l_1: \cos\theta \cdot x + \sin\theta \cdot y = 1
l2:cosθx+(sinθa)y=1asinθl_2: \cos\theta \cdot x + (\sin\theta - a) y = 1 - a\sin\theta
(3) a=233a = \frac{2\sqrt{3}}{3}

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