与えられた式 $\sin^{-1}\sqrt{1-x^2}$ を、 $x$ の範囲に応じて $\cos^{-1}x$ または $\pi - \cos^{-1}x$ で表すことを示す問題です。 具体的には、$0 \le x \le 1$ のとき $\cos^{-1}x$、$ -1 \le x \le 0$ のとき $\pi - \cos^{-1}x$ となることを示します。

解析学逆三角関数三角関数置換積分関数の表現
2025/6/1

1. 問題の内容

与えられた式 sin11x2\sin^{-1}\sqrt{1-x^2} を、 xx の範囲に応じて cos1x\cos^{-1}x または πcos1x\pi - \cos^{-1}x で表すことを示す問題です。 具体的には、0x10 \le x \le 1 のとき cos1x\cos^{-1}x1x0 -1 \le x \le 0 のとき πcos1x\pi - \cos^{-1}x となることを示します。

2. 解き方の手順

まず、x=cosθx = \cos\theta と置きます。
θ\theta の範囲は、cos1x\cos^{-1}x の定義域から、0θπ0 \le \theta \le \pi となります。
このとき、1x2=1cos2θ=sin2θ=sinθ\sqrt{1 - x^2} = \sqrt{1 - \cos^2\theta} = \sqrt{\sin^2\theta} = |\sin\theta| となります。
θ\theta の範囲が 0θπ0 \le \theta \le \pi であることから、sinθ0\sin\theta \ge 0 なので、1x2=sinθ\sqrt{1-x^2} = \sin\theta となります。
したがって、sin11x2=sin1(sinθ)\sin^{-1}\sqrt{1 - x^2} = \sin^{-1}(\sin\theta) です。
次に、xx の範囲に応じて場合分けします。
* 0x10 \le x \le 1 のとき:
0cosθ10 \le \cos\theta \le 1 となるので、0θπ20 \le \theta \le \frac{\pi}{2} です。
この範囲では、sin1(sinθ)=θ=cos1x\sin^{-1}(\sin\theta) = \theta = \cos^{-1}x となります。
* 1x0-1 \le x \le 0 のとき:
1cosθ0-1 \le \cos\theta \le 0 となるので、π2θπ\frac{\pi}{2} \le \theta \le \pi です。
この範囲では、sinθ=sin(πθ)\sin\theta = \sin(\pi - \theta) であり、0πθπ20 \le \pi - \theta \le \frac{\pi}{2} です。
したがって、sin1(sinθ)=sin1(sin(πθ))=πθ=πcos1x\sin^{-1}(\sin\theta) = \sin^{-1}(\sin(\pi - \theta)) = \pi - \theta = \pi - \cos^{-1}x となります。

3. 最終的な答え

$\sin^{-1}\sqrt{1-x^2} =
\begin{cases}
\cos^{-1}x & (0 \le x \le 1) \\
\pi - \cos^{-1}x & (-1 \le x \le 0)
\end{cases}$

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