不等式 $|x - 1| < a$ を満たす整数 $x$ がちょうど5個存在するような $a$ の値の範囲を求めます。

代数学不等式絶対値整数範囲
2025/6/1

1. 問題の内容

不等式 x1<a|x - 1| < a を満たす整数 xx がちょうど5個存在するような aa の値の範囲を求めます。

2. 解き方の手順

まず、絶対値の不等式を解きます。
x1<a|x - 1| < aa<x1<a-a < x - 1 < a と同値です。
各辺に1を足すと、
1a<x<1+a1 - a < x < 1 + a
となります。
この範囲に含まれる整数 xx が5個であるためには、端点 1a1 - a1+a1 + a の間隔が、整数5個を含む最小の範囲となるように考える必要があります。
xx は整数なので、 1a<x<1+a1 - a < x < 1 + a を満たす整数を小さい順に並べると、ある整数 nn を用いて
n,n+1,n+2,n+3,n+4n, n+1, n+2, n+3, n+4
と表せることになります。このとき、
1a<n1-a < n
n+4<1+an+4 < 1+a
が成り立ちます。
n+5n+5 は範囲に含まれないので、
n+51+an+5 \ge 1+a
である必要があります。
x=nx=n は範囲に含まれるので、
1a<n1-a < n
両辺に4を足すと
5a<n+4<1+a5-a < n+4 < 1+a
n<1+a4=a3n < 1+a-4 = a-3
整数が5個だけ存在する必要があるので、x=n1x = n-1 は範囲に含まれてはいけないので、n11an-1 \leq 1-a となります。
n2an \leq 2 -a
同様に、x=n+5x = n+5 も範囲に含まれてはいけないので、n+51+an+5 \geq 1+a となります。
したがって、n+4n+4 まで範囲に含まれているので、
n+4<1+an+4 < 1+a
でなければなりません。
ここで、n+51+an+5 \ge 1+a なので、1+a1+an+4n+4n+5n+5 の間の数ということになります。
nn の条件式を整理すると、
1a<n2a1-a < n \le 2-a
n+4<1+an+5n+4 < 1+a \le n+5
ここで、xx は整数なので、nn が求まる必要があります。
不等式を満たす整数が5個である条件は、
1a<x<1+a1-a < x < 1+a
の区間幅 2a2a が 4より大きく6以下であることです。
整数5個を含む範囲は、n,n+1,n+2,n+3,n+4n, n+1, n+2, n+3, n+4 なので、n1n-1 よりも大きく、n+5n+5 よりも小さい範囲となります。
n1=1an-1 = 1-a, n+5=1+an+5 = 1+a とすると、 2a=62a = 6 となります。このとき、a=3a = 3 です。
1a<x<1+a1 - a < x < 1 + aa=3a=3 を代入すると、 2<x<4-2 < x < 4 となり、xx1,0,1,2,3-1, 0, 1, 2, 3 の5個の整数を含むので、条件を満たします。
n1=1an-1 = 1-a, n+4=1+an+4 = 1+a とすると、2a=52a = 5 となります。このとき、a=2.5a = 2.5 です。
1a<x<1+a1 - a < x < 1 + aa=2.5a=2.5 を代入すると、 1.5<x<3.5-1.5 < x < 3.5 となり、xx1,0,1,2,3-1, 0, 1, 2, 3 の5個の整数を含むので、条件を満たします。
xx が5個であるためには、2a2a が 4より大きく6以下である必要があります。
したがって、4<2a64 < 2a \leq 6 が成り立ち、 2<a32 < a \leq 3となります。
ここで、2a=42a=4 の時、a=2a=2 なので、1a<x<1+a1-a < x < 1+a1<x<3-1 < x < 3 となり、x=0,1,2x = 0, 1, 2 となり、3個しか存在しません。
2a=62a=6 の時、a=3a=3 なので、1a<x<1+a1-a < x < 1+a2<x<4-2 < x < 4 となり、x=1,0,1,2,3x = -1, 0, 1, 2, 3 となり、5個存在します。
したがって、2<a32 < a \leq 3 が求める範囲です。

3. 最終的な答え

2<a32 < a \le 3

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