問題2: 与えられた行列 $A = \begin{bmatrix} 1 & 3 & 1 \\ 3 & 10 & 2 \\ 5 & 11 & 10 \end{bmatrix}$ が正則行列かどうか判定し、正則行列ならば逆行列 $A^{-1}$ を求め、選択肢の中から正しいものを選ぶ。 問題3: $A$ と $B$ が同じ次数の正則行列であるとき、行列 $A$, $B$ について常に成立する式を選択肢の中から一つ選ぶ。

1. 問題の内容

問題2: 与えられた行列 $A = \begin{bmatrix} 1 & 3 & 1 \\ 3 & 10 & 2 \\ 5 & 11 & 10 \end{bmatrix}$ が正則行列かどうか判定し、正則行列ならば逆行列 $A^{-1}$ を求め、選択肢の中から正しいものを選ぶ。

問題3: $A$ と $B$ が同じ次数の正則行列であるとき、行列 $A$, $B$ について常に成立する式を選択肢の中から一つ選ぶ。

2. 解き方の手順

問題2：

まず行列 $A$ の行列式を計算します。

$|A| = 1(10 \times 10 - 2 \times 11) - 3(3 \times 10 - 2 \times 5) + 1(3 \times 11 - 10 \times 5)$

$|A| = 1(100 - 22) - 3(30 - 10) + 1(33 - 50)$

$|A| = 78 - 3(20) + 1(-17)$

$|A| = 78 - 60 - 17$

$|A| = 1$

$|A| \neq 0$ なので、$A$ は正則行列です。

次に逆行列を求めます。逆行列 $A^{-1}$ は以下の式で計算できます。

$A^{-1} = \frac{1}{|A|} adj(A)$

ここで $adj(A)$ は $A$ の余因子行列です。

余因子行列を計算します。

$C_{11} = (10 \times 10 - 2 \times 11) = 78$

$C_{12} = -(3 \times 10 - 2 \times 5) = -20$

$C_{13} = (3 \times 11 - 10 \times 5) = -17$

$C_{21} = -(3 \times 10 - 1 \times 11) = -19$

$C_{22} = (1 \times 10 - 1 \times 5) = 5$

$C_{23} = -(1 \times 11 - 3 \times 5) = 4$

$C_{31} = (3 \times 2 - 1 \times 10) = -4$

$C_{32} = -(1 \times 2 - 1 \times 3) = 1$

$C_{33} = (1 \times 10 - 3 \times 3) = 1$

余因子行列は $C = \begin{bmatrix} 78 & -20 & -17 \\ -19 & 5 & 4 \\ -4 & 1 & 1 \end{bmatrix}$

$adj(A) = C^T = \begin{bmatrix} 78 & -19 & -4 \\ -20 & 5 & 1 \\ -17 & 4 & 1 \end{bmatrix}$

$A^{-1} = \frac{1}{|A|} adj(A) = \begin{bmatrix} 78 & -19 & -4 \\ -20 & 5 & 1 \\ -17 & 4 & 1 \end{bmatrix}$

問題3：

$B^{-1}A^{-1}$ がどの選択肢と等しいかを検討します。

選択肢1: $(AB)^{-1} = B^{-1}A^{-1}$

選択肢2: $(BA)^{-1} = A^{-1}B^{-1}$

選択肢3: $BA$

選択肢4: $AB$

一般に $AB \neq BA$ です。したがって、選択肢3と4は誤りです。

$(AB)^{-1} = B^{-1}A^{-1}$ が成立します。したがって、選択肢1が正しいです。

3. 最終的な答え

問題2の答え:

4. Aは正則行列であり、$A^{-1} = \begin{bmatrix} 78 & -19 & -4 \\ -20 & 5 & 1 \\ -17 & 4 & 1 \end{bmatrix}$

問題3の答え:

1. $B^{-1}A^{-1} = (AB)^{-1}$