海上に浮かぶ船の鉛直方向の座標 $z$ が時間 $t$ の関数として $z = z_0 \cos(\omega t)$ で与えられている。ここで $z_0$ と $\omega$ は定数である。以下の問いに答えよ。 (1) 船の鉛直上向き方向の速度を求めよ。 (2) 船の鉛直上向き方向の加速度を求めよ。 (3) 船の中で体重 $m$ の人が体重計で体重を測っている。体重計が示す体重の値を時間とともに変化する関数として求めよ。 (4) $t=0$ のとき、体重計は0を示した。このとき $\omega$ を求めよ。

応用数学微分力学単振動加速度速度
2025/6/2

1. 問題の内容

海上に浮かぶ船の鉛直方向の座標 zz が時間 tt の関数として z=z0cos(ωt)z = z_0 \cos(\omega t) で与えられている。ここで z0z_0ω\omega は定数である。以下の問いに答えよ。
(1) 船の鉛直上向き方向の速度を求めよ。
(2) 船の鉛直上向き方向の加速度を求めよ。
(3) 船の中で体重 mm の人が体重計で体重を測っている。体重計が示す体重の値を時間とともに変化する関数として求めよ。
(4) t=0t=0 のとき、体重計は0を示した。このとき ω\omega を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 速度は位置の時間微分で求められる。
v=dzdt=ddt(z0cos(ωt))v = \frac{dz}{dt} = \frac{d}{dt} (z_0 \cos(\omega t))
v=z0ωsin(ωt)v = -z_0 \omega \sin(\omega t)
(2) 加速度は速度の時間微分で求められる。
a=dvdt=ddt(z0ωsin(ωt))a = \frac{dv}{dt} = \frac{d}{dt} (-z_0 \omega \sin(\omega t))
a=z0ω2cos(ωt)a = -z_0 \omega^2 \cos(\omega t)
(3) 体重計が示す体重は、人が感じる見かけの重力に比例する。見かけの重力は、実際の重力から加速度による慣性力を引いたものに相当する。加速度が上向きに正なので、下向きに mgmg 、上向きに mama の力が働くことになる。体重計が示す力 FF は、
F=m(g+a)=m(gz0ω2cos(ωt))F = m(g+a) = m(g - z_0 \omega^2 \cos(\omega t))
(4) t=0t=0 のとき体重計が0を示すということは、F(0)=0F(0) = 0 である。
F(0)=m(gz0ω2cos(0))=m(gz0ω2)=0F(0) = m(g - z_0 \omega^2 \cos(0)) = m(g - z_0 \omega^2) = 0
したがって、gz0ω2=0g - z_0 \omega^2 = 0 なので、
ω2=gz0\omega^2 = \frac{g}{z_0}
ω=gz0\omega = \sqrt{\frac{g}{z_0}}

3. 最終的な答え

(1) 船の鉛直上向き方向の速度: v=z0ωsin(ωt)v = -z_0 \omega \sin(\omega t)
(2) 船の鉛直上向き方向の加速度: a=z0ω2cos(ωt)a = -z_0 \omega^2 \cos(\omega t)
(3) 体重計が示す体重の値: m(gz0ω2cos(ωt))m(g - z_0 \omega^2 \cos(\omega t))
(4) ω=gz0\omega = \sqrt{\frac{g}{z_0}}

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