与えられた関数に対して、その導関数 $f'(x)$ が0となる $x$ が指定された範囲に存在するかどうかを調べる問題です。具体的には、以下の2つの関数について考えます。 (1) $f(x) = x\cos x$ ($0 \le x \le \frac{\pi}{2}$) (2) $f(x) = 1 - |x-2|$ ($1 \le x \le 3$)

解析学導関数微分中間値の定理絶対値関数
2025/6/2

1. 問題の内容

与えられた関数に対して、その導関数 f(x)f'(x) が0となる xx が指定された範囲に存在するかどうかを調べる問題です。具体的には、以下の2つの関数について考えます。
(1) f(x)=xcosxf(x) = x\cos x (0xπ20 \le x \le \frac{\pi}{2})
(2) f(x)=1x2f(x) = 1 - |x-2| (1x31 \le x \le 3)

2. 解き方の手順

(1) f(x)=xcosxf(x) = x\cos x の場合:
まず、f(x)f(x) を微分してf(x)f'(x)を求めます。積の微分公式を用いると、
f(x)=(x)cosx+x(cosx)=cosxxsinxf'(x) = (x)' \cos x + x (\cos x)' = \cos x - x\sin x
f(x)=0f'(x) = 0 となる xx を求めます。つまり、cosxxsinx=0\cos x - x\sin x = 0 を解きます。これは cosx=xsinx\cos x = x\sin x と同値であり、tanx=1x\tan x = \frac{1}{x} となります。
g(x)=tanxg(x) = \tan xh(x)=1xh(x) = \frac{1}{x} のグラフを描くと、0xπ20 \le x \le \frac{\pi}{2} の範囲で交点を持つことが分かります。
x=0x=0のとき、f(0)=1f'(0)=1であり、x=π/2x=\pi/2のとき、f(π/2)=0π21=π2f'(\pi/2) = 0 - \frac{\pi}{2}*1 = -\frac{\pi}{2}となり、f(0)>0f'(0) > 0かつf(π/2)<0f'(\pi/2) < 0なので、中間値の定理から、f(x)=0f'(x)=0となるxxが、0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2}の範囲に存在します。
(2) f(x)=1x2f(x) = 1 - |x-2| の場合:
絶対値記号があるので、場合分けを行います。
- 1x21 \le x \le 2 のとき:f(x)=1(2x)=x1f(x) = 1 - (2-x) = x-1。このとき、f(x)=1f'(x) = 1 となり、f(x)=0f'(x) = 0 となる xx は存在しません。
- 2<x32 < x \le 3 のとき:f(x)=1(x2)=3xf(x) = 1 - (x-2) = 3-x。このとき、f(x)=1f'(x) = -1 となり、f(x)=0f'(x) = 0 となる xx は存在しません。
また、x=2x=2において微分不可能であるため、f(2)f'(2)は存在しません。
しかし、x=2x=2を含むいかなる区間においても、f'(x) = 0 となることはありません。

3. 最終的な答え

(1) f(x)=xcosxf(x) = x\cos x の場合:f(x)=0f'(x) = 0 を満たす xx は存在する。
(2) f(x)=1x2f(x) = 1 - |x-2| の場合:f(x)=0f'(x) = 0 を満たす xx は存在しない。

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