AとBが正則行列であるとき、以下の2つの事柄を示す問題です。 (1) $A^{-1}$ は正則行列であり、その逆行列 $(A^{-1})^{-1}$ は $A$ であることを示す。 (2) $AB$ は正則行列であり、その逆行列 $(AB)^{-1}$ は $B^{-1}A^{-1}$ であることを示す。

代数学線形代数行列逆行列正則行列
2025/6/2

1. 問題の内容

AとBが正則行列であるとき、以下の2つの事柄を示す問題です。
(1) A1A^{-1} は正則行列であり、その逆行列 (A1)1(A^{-1})^{-1}AA であることを示す。
(2) ABAB は正則行列であり、その逆行列 (AB)1(AB)^{-1}B1A1B^{-1}A^{-1} であることを示す。

2. 解き方の手順

(1) AA が正則行列であるとき、逆行列 A1A^{-1} が存在し、AA1=A1A=IAA^{-1} = A^{-1}A = I が成り立ちます。ここで、II は単位行列です。
A1A^{-1} が正則行列であることを示すには、A1A^{-1} にある行列を掛けて単位行列 II になることを示せば良いです。
A1A^{-1}AA を掛けると、A(A1)=(A1)A=IA(A^{-1}) = (A^{-1})A = I となるので、A1A^{-1} の逆行列は AA であると言えます。すなわち、(A1)1=A(A^{-1})^{-1} = A です。
したがって、A1A^{-1} は正則行列であり、その逆行列は AA です。
(2) AABB が正則行列であるとき、逆行列 A1A^{-1}B1B^{-1} が存在し、AA1=A1A=IAA^{-1} = A^{-1}A = I および BB1=B1B=IBB^{-1} = B^{-1}B = I が成り立ちます。
ABAB が正則行列であることを示すには、ABAB にある行列を掛けて単位行列 II になることを示せば良いです。
ABABB1A1B^{-1}A^{-1} を掛けてみます。
(AB)(B1A1)=A(BB1)A1=AIA1=AA1=I(AB)(B^{-1}A^{-1}) = A(BB^{-1})A^{-1} = AIA^{-1} = AA^{-1} = I
同様に、B1A1B^{-1}A^{-1}ABAB を掛けてみます。
(B1A1)(AB)=B1(A1A)B=B1IB=B1B=I(B^{-1}A^{-1})(AB) = B^{-1}(A^{-1}A)B = B^{-1}IB = B^{-1}B = I
したがって、(AB)(B1A1)=(B1A1)(AB)=I(AB)(B^{-1}A^{-1}) = (B^{-1}A^{-1})(AB) = I となるので、ABAB の逆行列は B1A1B^{-1}A^{-1} であると言えます。すなわち、(AB)1=B1A1(AB)^{-1} = B^{-1}A^{-1} です。
したがって、ABAB は正則行列であり、その逆行列は B1A1B^{-1}A^{-1} です。

3. 最終的な答え

(1) 行列 A1A^{-1} は正則行列であり、その逆行列 (A1)1(A^{-1})^{-1}AA である。
(2) 行列 ABAB は正則行列であり、その逆行列 (AB)1(AB)^{-1}B1A1B^{-1}A^{-1} である。

「代数学」の関連問題

次の絶対値を含む方程式・不等式を解きます。 (1) $|3x-2| = 4$ (2) $|2x+5| > 2$ (3) $|1-x| < 3$

絶対値方程式不等式一次方程式解の公式
2025/6/3

与えられた2つの式を因数分解する問題です。 (1) $(2a-b)(2a-b+3)+2$ (2) $(x^2+2x+3)(x^2+2x-4)+6$

因数分解置換多項式
2025/6/3

$a$ は正の定数とする。関数 $y = -x^2 + 2x + 1$ の $0 \le x \le a$ における最大値を求める。

二次関数最大値場合分け平方完成
2025/6/3

$a$は正の定数とする。関数 $y = -x^2 + 2x + 1$ ($0 \le x \le a$) の最大値を求めよ。

二次関数最大値場合分け
2025/6/3

次の2つの問題に答えます。 (1) 関数 $y = x^2 - 2x + c$ の $-2 \le x \le 0$ における最大値が5であるとき、定数 $c$ の値を求めます。 (2) 関数 $y ...

二次関数最大値最小値平方完成
2025/6/3

次の4つの関数について、与えられた範囲における最大値と最小値を求める問題です。 (1) $y = x^2 + 2x + 3 \quad (-2 \le x \le 2)$ (2) $y = -x^2 ...

二次関数最大値最小値平方完成
2025/6/3

以下の2つの2次関数の最大値、最小値を求める問題です。 (1) $y = x^2 - 6x + 5$ (2) $y = -2x^2 + 5x$

二次関数最大値最小値平方完成
2025/6/3

4kmの道のりを歩くか走るかして行く。歩く速さは分速80m、走る速さは分速200mである。目的地に着くまでにかかる時間を32分以上35分以下にするとき、歩く道のりを何m以上何m以下にすればよいか。

不等式文章題一次不等式距離時間速さ
2025/6/3

次の2つの2次関数について、最大値、最小値があれば、それを求めよ。 (1) $y = 2(x-3)^2 + 4$ (2) $y = -2(x+1)^2 - 3$

二次関数最大値最小値放物線
2025/6/3

与えられた式 $(3x - 2y + 1)(3x + 2y - 1)$ を展開し、整理せよ。

展開多項式因数分解
2025/6/3