この問題は、楕円と複素数に関する問題です。 (1)では、楕円 $C: \frac{x^2}{25} + \frac{y^2}{9} = 1$ の焦点の座標と、楕円上の点Pに関する性質を求めます。さらに、点Pが楕円の第1象限の部分を動くとき、$\triangle OPQ$ の面積の最大値を求めます。 (2)では、複素数 $z = -1 - \sqrt{3}i$ を極形式で表し、複素数平面上の点 $z$ が原点を中心とする半径1の円上を動くときの性質を求めます。さらに、$|z - \alpha|$ の最大値と、$z - 2$ の偏角の最大値を求めます。

代数学楕円複素数極形式複素数平面面積最大化
2025/6/2

1. 問題の内容

この問題は、楕円と複素数に関する問題です。
(1)では、楕円 C:x225+y29=1C: \frac{x^2}{25} + \frac{y^2}{9} = 1 の焦点の座標と、楕円上の点Pに関する性質を求めます。さらに、点Pが楕円の第1象限の部分を動くとき、OPQ\triangle OPQ の面積の最大値を求めます。
(2)では、複素数 z=13iz = -1 - \sqrt{3}i を極形式で表し、複素数平面上の点 zz が原点を中心とする半径1の円上を動くときの性質を求めます。さらに、zα|z - \alpha| の最大値と、z2z - 2 の偏角の最大値を求めます。

2. 解き方の手順

(1)(ア) 楕円 C:x2a2+y2b2=1C: \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1 の焦点の座標は、a2>b2a^2 > b^2 のとき (±a2b2,0)(\pm \sqrt{a^2 - b^2}, 0) です。この問題では、a2=25a^2 = 25b2=9b^2 = 9 なので、焦点の座標は (±259,0)=(±4,0)(\pm \sqrt{25 - 9}, 0) = (\pm 4, 0) です。したがって、F (4, 0), F' (-4, 0) です。
(イウ) 楕円上の点Pから2つの焦点までの距離の和は一定で、それは長軸の長さに等しくなります。この問題では、長軸の長さは 2a=2×5=102a = 2 \times 5 = 10 なので、PF + PF' = 10 です。
(エオ)(カ) 点Pを楕円C上の第1象限の部分を動く点とし、x軸に関して点Pと対称な点をQとします。このとき、OPQ\triangle OPQ の面積の最大値を求めます。
点Pの座標を (5cosθ,3sinθ)(5\cos\theta, 3\sin\theta) とおきます。ただし、0<θ<π20 < \theta < \frac{\pi}{2} とします。点Qの座標は (5cosθ,3sinθ)(5\cos\theta, -3\sin\theta) となります。OPQ\triangle OPQ の面積は、
12×5cosθ×(3sinθ(3sinθ))=12×5cosθ×6sinθ=15sinθcosθ=152sin(2θ)\frac{1}{2} \times 5\cos\theta \times (3\sin\theta - (-3\sin\theta)) = \frac{1}{2} \times 5\cos\theta \times 6\sin\theta = 15\sin\theta\cos\theta = \frac{15}{2}\sin(2\theta)
となります。
0<θ<π20 < \theta < \frac{\pi}{2} より、0<2θ<π0 < 2\theta < \pi なので、sin(2θ)\sin(2\theta) の最大値は1です。したがって、OPQ\triangle OPQ の面積の最大値は 152\frac{15}{2} です。
(2)(キ)(ク) z=13iz = -1 - \sqrt{3}i を極形式で表します。
z=(1)2+(3)2=1+3=2|z| = \sqrt{(-1)^2 + (-\sqrt{3})^2} = \sqrt{1 + 3} = 2 です。
したがって、z=2(1232i)=2(cos(4π3)+isin(4π3))z = 2(-\frac{1}{2} - \frac{\sqrt{3}}{2}i) = 2(\cos(\frac{4\pi}{3}) + i\sin(\frac{4\pi}{3})) となります。
(ケ) 複素数平面上で点々が原点を中心とする半径1の円上を動くとき、z=1|z| = 1 が成り立ちます。
(コ) α=2(cos(4π3)+isin(4π3))=2|\alpha| = |2(\cos(\frac{4\pi}{3}) + i\sin(\frac{4\pi}{3}))| = 2
zα|z - \alpha| の最大値は、zαz+α=1+2=3|z - \alpha| \leq |z| + |\alpha| = 1 + 2 = 3 となります。
(サ) z=a+biz = a + bi とすると、z2=(a2)+biz - 2 = (a-2) + bi の偏角を考えることになります。zz が単位円 z=1|z|=1 上を動くので,z2z-2 は原点を中心とする半径1の円を,実軸方向に2だけ平行移動した図形を描きます。このとき,z2z-2 の偏角の最大値は、原点からこの円に引いた接線の角度となります。θ\theta を偏角とすると,sinθ=12\sin \theta = \frac{1}{2} となるので,θ=π6\theta = \frac{\pi}{6} となります。
したがって,偏角の最大値は ππ6=5π6\pi - \frac{\pi}{6} = \frac{5\pi}{6} です。
(シス)(セ)(ソ) このとき,z=cos(5π6)+isin(5π6)=32+12iz = \cos(\frac{5\pi}{6}) + i \sin(\frac{5\pi}{6}) = -\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i となり,α=13i\alpha = -1 - \sqrt{3}i です。したがって、
zα=32+12i13i=(32+12i)(1+3i)(13i)(1+3i)=3232i12i321+3=2i4=12i=32(32+12i)=12(0i)\frac{z}{\alpha} = \frac{-\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i}{-1 - \sqrt{3}i} = \frac{(-\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i)(-1 + \sqrt{3}i)}{(-1 - \sqrt{3}i)(-1 + \sqrt{3}i)} = \frac{\frac{\sqrt{3}}{2} - \frac{3}{2}i - \frac{1}{2}i - \frac{\sqrt{3}}{2}}{1+3} = \frac{-2i}{4} = -\frac{1}{2}i = \frac{\sqrt{3}}{2}(-\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i) = \frac{1}{2}(0 - i)
zα=012i\frac{z}{\alpha} = 0 - \frac{1}{2}i なので,zα=01i2=012\frac{z}{\alpha} = \frac{0 - \sqrt{1} i}{2} = \frac{0 - \sqrt{1}}{2}

3. 最終的な答え

(1)
(ア) 4
(ア) -4
(イウ) 10
(エオ) 15
(カ) 2
(2)
(キ) 2
(ク) 4π3\frac{4\pi}{3}
(ケ) 2
(コ) 3
(サ) 5π6\frac{5\pi}{6}
(シス) 0
(セ) 1
(ソ) 2

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