ヒトの体細胞1個に含まれるDNA量が $5.6 \times 10^{-12}$ gであるとき、このDNAを切れ目がないようにつないだ場合の長さを求める。ただし、DNAは二重らせん構造をとり、塩基対間の距離は$3.4 \times 10^{-10}$ m、ヌクレオチド(残基)の平均分子量は320、アボガドロ定数は $6.0 \times 10^{23}$ とする。DNAの長さの単位はmとし、小数点以下第2位を四捨五入して第1位まで求める。
2025/6/3
1. 問題の内容
ヒトの体細胞1個に含まれるDNA量が gであるとき、このDNAを切れ目がないようにつないだ場合の長さを求める。ただし、DNAは二重らせん構造をとり、塩基対間の距離は m、ヌクレオチド(残基)の平均分子量は320、アボガドロ定数は とする。DNAの長さの単位はmとし、小数点以下第2位を四捨五入して第1位まで求める。
2. 解き方の手順
(1) DNAの質量から物質量を計算する。
ヌクレオチドの平均分子量が320なので、DNA gに含まれるヌクレオチドの物質量[mol]は、
\frac{5.6 \times 10^{-12} \text{ g}}{320 \text{ g/mol}} = 1.75 \times 10^{-14} \text{ mol}
(2) DNAに含まれるヌクレオチドの数を計算する。
アボガドロ定数は なので、
mol のヌクレオチドの数は、
1.75 \times 10^{-14} \text{ mol} \times 6.0 \times 10^{23} \text{ 個/mol} = 1.05 \times 10^{10} \text{ 個}
(3) DNAは二重らせん構造なので、ヌクレオチドの数は塩基対の数の2倍である。したがって、塩基対の数は、
\frac{1.05 \times 10^{10} \text{ 個}}{2} = 0.525 \times 10^{10} = 5.25 \times 10^{9} \text{ 対}
(4) DNAの長さを計算する。
塩基対間の距離は mなので、DNAの長さは、
5.25 \times 10^{9} \text{ 対} \times 3.4 \times 10^{-10} \text{ m/対} = 1.785 \text{ m}
(5) 小数点以下第2位を四捨五入する。
を小数点以下第2位で四捨五入すると、になる。