関数 $f(x) = x|x-2|$ について、以下の問いに答える問題です。 (ア) $y = f(x)$ のグラフの概形を選ぶ。 (イ) 曲線 $y = -x^2 + 2x$ の原点における接線の傾きを求める。 (ウ) 直線 $y = mx$ が曲線 $y = f(x)$ の $x > 0$ の部分と異なる2点を共有するような $m$ の範囲を求める。

解析学関数のグラフ微分接線絶対値関数
2025/6/3

1. 問題の内容

関数 f(x)=xx2f(x) = x|x-2| について、以下の問いに答える問題です。
(ア) y=f(x)y = f(x) のグラフの概形を選ぶ。
(イ) 曲線 y=x2+2xy = -x^2 + 2x の原点における接線の傾きを求める。
(ウ) 直線 y=mxy = mx が曲線 y=f(x)y = f(x)x>0x > 0 の部分と異なる2点を共有するような mm の範囲を求める。

2. 解き方の手順

(ア) y=f(x)=xx2y = f(x) = x|x-2| のグラフの概形を考えます。
x2x \ge 2 のとき、f(x)=x(x2)=x22xf(x) = x(x-2) = x^2 - 2x
x<2x < 2 のとき、f(x)=x(2x)=x2+2xf(x) = x(2-x) = -x^2 + 2x
x2x \ge 2 のとき、f(x)=x22x=(x1)21f(x) = x^2 - 2x = (x-1)^2 - 1 であるから、頂点が(1,1)(1, -1)の放物線をx2x \ge 2で切り取ったものになります。
x<2x < 2 のとき、f(x)=x2+2x=(x1)2+1f(x) = -x^2 + 2x = -(x-1)^2 + 1 であるから、頂点が(1,1)(1, 1)の放物線をx<2x < 2で切り取ったものになります。
x=0x=0のとき、f(x)=0f(x)=0であり、x=2x=2のときもf(x)=0f(x)=0です。
グラフはx=2x=2で微分不可能ですが連続であり、これらの条件を満たすのは②のグラフです。
よって、アは②。
(イ) 曲線 y=x2+2xy = -x^2 + 2x の原点における接線の傾きを求めます。
y=2x+2y' = -2x + 2
x=0x = 0 のとき y=2y' = 2
よって、イは2。
(ウ) 直線 y=mxy = mx が曲線 y=f(x)y = f(x)x>0x > 0 の部分と異なる2点を共有するような mm の範囲を求めます。
x>0x > 0の場合で場合分けします。
0<x<20 < x < 2 のとき、f(x)=x2+2xf(x) = -x^2 + 2x
y=mxy = mxy=x2+2xy = -x^2 + 2x の交点は
mx=x2+2xmx = -x^2 + 2x
x2+(m2)x=0x^2 + (m-2)x = 0
x(x+m2)=0x(x + m - 2) = 0
x=0,2mx = 0, 2 - m
異なる2点を共有するためには、0<2m<20 < 2 - m < 2 である必要がある。
2<m<0-2 < -m < 0
0<m<20 < m < 2
x2x \ge 2 のとき、f(x)=x22xf(x) = x^2 - 2x
y=mxy = mxy=x22xy = x^2 - 2x の交点は
mx=x22xmx = x^2 - 2x
x2(m+2)x=0x^2 - (m+2)x = 0
x(x(m+2))=0x(x - (m+2)) = 0
x=0,m+2x = 0, m+2
異なる2点を共有するためには、m+22m + 2 \ge 2 である必要がある。
m0m \ge 0
y=mxy = mxy=x2+2xy = -x^2 + 2xy=x22xy = x^2 - 2x の両方と交点を持つためには、0<m<20 < m < 2 が必要。
f(x)=xx2f(x) = x|x-2|x=2x=2での右側微分係数は、
limh+0f(2+h)f(2)h=limh+0(2+h)2+h2h=limh+0(2+h)hh=limh+0(2+h)=2\lim_{h \to +0} \frac{f(2+h) - f(2)}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{(2+h)|2+h-2|}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{(2+h)h}{h} = \lim_{h \to +0} (2+h) = 2
f(x)=xx2f(x) = x|x-2|x=2x=2での左側微分係数は、
limh0f(2+h)f(2)h=limh0(2+h)2+h2h=limh0(2+h)hh=limh0(2+h)(h)h=limh0(2+h)=2\lim_{h \to -0} \frac{f(2+h) - f(2)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{(2+h)|2+h-2|}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{(2+h)|h|}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{(2+h)(-h)}{h} = \lim_{h \to -0} -(2+h) = -2
y=mxy = mxy=f(x)y = f(x)x>0x>0 で異なる2点を共有するためには、2<m<2-2 < m < 2が必要です。ただし、x=0x=0が含まれるため、0<m<20 < m < 2 となります。
x>0x > 0におけるy=f(x)y = f(x)の最大傾きは2なので、0<m<20 < m < 2となります。
したがって、ウは0、エは2。

3. 最終的な答え

ア: ②
イ: 2
ウ: 0
エ: 2

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