2つの積分 $I_1$ と $I_2$ を計算する問題です。 $I_1 = \int_{0}^{\infty} \int_{0}^{\infty} e^{-x^2-y^2} dx dy$ $I_2 = \int_{0}^{\infty} e^{-x^2} dx$

解析学積分二重積分極座標変換置換積分ガウス積分
2025/6/4

1. 問題の内容

2つの積分 I1I_1I2I_2 を計算する問題です。
I1=00ex2y2dxdyI_1 = \int_{0}^{\infty} \int_{0}^{\infty} e^{-x^2-y^2} dx dy
I2=0ex2dxI_2 = \int_{0}^{\infty} e^{-x^2} dx

2. 解き方の手順

まず、I1I_1 を計算します。これは直交座標での二重積分ですが、極座標変換を行うことで計算が容易になります。
x=rcosθx = r\cos\theta, y=rsinθy = r\sin\theta と置くと、dxdy=rdrdθdxdy = r dr d\theta となります。
積分範囲は x0x \ge 0 かつ y0y \ge 0 なので、0θπ20 \le \theta \le \frac{\pi}{2} となります。また、0r<0 \le r < \infty です。
したがって、
I1=0π20er2rdrdθI_1 = \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \int_{0}^{\infty} e^{-r^2} r dr d\theta
まず、rr に関する積分を計算します。
0er2rdr\int_{0}^{\infty} e^{-r^2} r dr
u=r2u = r^2 と置換すると、du=2rdrdu = 2r dr なので、rdr=12dur dr = \frac{1}{2}du となります。
0eu12du=12[eu]0=12(0(1))=12\int_{0}^{\infty} e^{-u} \frac{1}{2}du = \frac{1}{2} [-e^{-u}]_{0}^{\infty} = \frac{1}{2} (0 - (-1)) = \frac{1}{2}
次に、θ\theta に関する積分を計算します。
I1=0π212dθ=12[θ]0π2=12(π20)=π4I_1 = \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \frac{1}{2} d\theta = \frac{1}{2} [\theta]_{0}^{\frac{\pi}{2}} = \frac{1}{2} (\frac{\pi}{2} - 0) = \frac{\pi}{4}
次に、I2I_2 を計算します。
I2=0ex2dxI_2 = \int_{0}^{\infty} e^{-x^2} dx
I1=I22I_1 = I_2^2 であることを利用します。
I22=(0ex2dx)(0ey2dy)=00ex2y2dxdy=I1I_2^2 = (\int_{0}^{\infty} e^{-x^2} dx) (\int_{0}^{\infty} e^{-y^2} dy) = \int_{0}^{\infty} \int_{0}^{\infty} e^{-x^2 - y^2} dx dy = I_1
よって、I22=π4I_2^2 = \frac{\pi}{4} なので、I2=π4=π2I_2 = \sqrt{\frac{\pi}{4}} = \frac{\sqrt{\pi}}{2} となります。

3. 最終的な答え

I1=π4I_1 = \frac{\pi}{4}
I2=π2I_2 = \frac{\sqrt{\pi}}{2}

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