水平面または斜面上を運動する物体に力が加わっている状況で、加速度 $a$ と垂直抗力 $N$ を求める問題です。与えられた図の条件に従って、(1), (2), (3) それぞれの場合について加速度と垂直抗力を求めます。

応用数学力学運動方程式力の分解加速度垂直抗力
2025/6/3

1. 問題の内容

水平面または斜面上を運動する物体に力が加わっている状況で、加速度 aa と垂直抗力 NN を求める問題です。与えられた図の条件に従って、(1), (2), (3) それぞれの場合について加速度と垂直抗力を求めます。

2. 解き方の手順

各問題に対して、以下の手順で解きます。
* **力の図示:** 物体にはたらく力をすべて図示します(重力、垂直抗力、加えられた力など)。
* **座標軸の設定:** 運動方向とそれに垂直な方向に座標軸を設定します。水平面の場合は水平方向と鉛直方向、斜面の場合は斜面に沿った方向とそれに垂直な方向が良いでしょう。
* **力の分解:** 加えられた力を、設定した座標軸の方向に分解します。
* **運動方程式の立て方:** 各座標軸方向について、運動方程式を立てます。運動方向に ma=ΣFma = \Sigma F (質量 mm × 加速度 aa = 力の合力)、運動方向と垂直な方向には力のつり合い 0=ΣF0 = \Sigma F を用います。
* **連立方程式を解く:** 運動方程式と力のつり合いの式から、加速度 aa と垂直抗力 NN について解きます。
以下、各問題について具体的に解きます。
**(2) - (1)**
* 力の図示: 重力 mgmg、垂直抗力 NNF1F_1F2F_2 が物体にはたらきます。
* 座標軸の設定: 水平方向を xx 軸、鉛直方向を yy 軸とします。
* 力の分解: F1F_1xx 軸方向に F1cos45=22F1F_1\cos{45^\circ} = \frac{\sqrt{2}}{2}F_1yy 軸方向に F1sin45=22F1F_1\sin{45^\circ} = \frac{\sqrt{2}}{2}F_1 に分解します。
* 運動方程式:
* xx 軸方向: ma=22F1F2ma = \frac{\sqrt{2}}{2}F_1 - F_2
* yy 軸方向: N+22F1mg=0N + \frac{\sqrt{2}}{2}F_1 - mg = 0
* 連立方程式を解く:
* a=2F12F22ma = \frac{\sqrt{2}F_1 - 2F_2}{2m}
* N=mg22F1N = mg - \frac{\sqrt{2}}{2}F_1
**(2) - (2)**
* 力の図示: 重力 mgmg、垂直抗力 NNF1F_1F2F_2 が物体にはたらきます。
* 座標軸の設定: 水平方向を xx 軸、鉛直方向を yy 軸とします。
* 力の分解: F1F_1xx 軸方向に F1cos30=32F1F_1\cos{30^\circ} = \frac{\sqrt{3}}{2}F_1yy 軸方向に F1sin30=12F1F_1\sin{30^\circ} = \frac{1}{2}F_1 に分解します。
* 運動方程式:
* xx 軸方向: ma=32F1+F2ma = \frac{\sqrt{3}}{2}F_1 + F_2
* yy 軸方向: N+12F1mg=0N + \frac{1}{2}F_1 - mg = 0
* 連立方程式を解く:
* a=3F1+2F22ma = \frac{\sqrt{3}F_1 + 2F_2}{2m}
* N=mg12F1N = mg - \frac{1}{2}F_1
**(2) - (3)**
* 力の図示: 重力 mgmg、垂直抗力 NNF1F_1F2F_2 が物体にはたらきます。
* 座標軸の設定: 水平方向を xx 軸、鉛直方向を yy 軸とします。
* 力の分解: F1F_1yy 軸方向のみ、F2F_2xx 軸方向のみにはたらきます。
* 運動方程式:
* xx 軸方向: ma=F2ma = -F_2
* yy 軸方向: N+F1mg=0N + F_1 - mg = 0
* 連立方程式を解く:
* a=F2ma = -\frac{F_2}{m}
* N=mgF1N = mg - F_1
**(3) - (1)**
* 力の図示: 重力 mgmg、垂直抗力 NNが物体にはたらきます。
* 座標軸の設定: 斜面に沿って下向きを xx 軸、斜面に垂直な方向を yy 軸とします。
* 力の分解: 重力 mgmgxx 軸方向に mgsin30=12mgmg\sin{30^\circ} = \frac{1}{2}mgyy 軸方向に mgcos30=32mgmg\cos{30^\circ} = \frac{\sqrt{3}}{2}mg に分解します。
* 運動方程式:
* xx 軸方向: ma=12mgma = \frac{1}{2}mg
* yy 軸方向: N32mg=0N - \frac{\sqrt{3}}{2}mg = 0
* 連立方程式を解く:
* a=12ga = \frac{1}{2}g
* N=32mgN = \frac{\sqrt{3}}{2}mg
**(3) - (2)**
* 力の図示: 重力 mgmg、垂直抗力 NNが物体にはたらきます。
* 座標軸の設定: 斜面に沿って下向きを xx 軸、斜面に垂直な方向を yy 軸とします。
* 力の分解: 重力 mgmgxx 軸方向に mgsin45=22mgmg\sin{45^\circ} = \frac{\sqrt{2}}{2}mgyy 軸方向に mgcos45=22mgmg\cos{45^\circ} = \frac{\sqrt{2}}{2}mg に分解します。
* 運動方程式:
* xx 軸方向: ma=22mgma = \frac{\sqrt{2}}{2}mg
* yy 軸方向: N22mg=0N - \frac{\sqrt{2}}{2}mg = 0
* 連立方程式を解く:
* a=22ga = \frac{\sqrt{2}}{2}g
* N=22mgN = \frac{\sqrt{2}}{2}mg
**(3) - (3)**
* 力の図示: 重力 mgmg、垂直抗力 NN、力 FF が物体にはたらきます。
* 座標軸の設定: 斜面に沿って下向きを xx 軸、斜面に垂直な方向を yy 軸とします。
* 力の分解: 重力 mgmgxx 軸方向に mgsin30=12mgmg\sin{30^\circ} = \frac{1}{2}mgyy 軸方向に mgcos30=32mgmg\cos{30^\circ} = \frac{\sqrt{3}}{2}mg に分解します。
* 運動方程式:
* xx 軸方向: ma=12mgFma = \frac{1}{2}mg - F
* yy 軸方向: N32mg=0N - \frac{\sqrt{3}}{2}mg = 0
* 連立方程式を解く:
* a=mg2F2ma = \frac{mg - 2F}{2m}
* N=32mgN = \frac{\sqrt{3}}{2}mg

3. 最終的な答え

**(2) - (1)**
* a=2F12F22ma = \frac{\sqrt{2}F_1 - 2F_2}{2m}
* N=mg22F1N = mg - \frac{\sqrt{2}}{2}F_1
**(2) - (2)**
* a=3F1+2F22ma = \frac{\sqrt{3}F_1 + 2F_2}{2m}
* N=mg12F1N = mg - \frac{1}{2}F_1
**(2) - (3)**
* a=F2ma = -\frac{F_2}{m}
* N=mgF1N = mg - F_1
**(3) - (1)**
* a=12ga = \frac{1}{2}g
* N=32mgN = \frac{\sqrt{3}}{2}mg
**(3) - (2)**
* a=22ga = \frac{\sqrt{2}}{2}g
* N=22mgN = \frac{\sqrt{2}}{2}mg
**(3) - (3)**
* a=mg2F2ma = \frac{mg - 2F}{2m}
* N=32mgN = \frac{\sqrt{3}}{2}mg

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