確率変数 $X$ の取りうる値の範囲が $0 \le x \le 2$ であり、確率密度関数が $f(x) = \frac{1}{2}x$ ($0 \le x \le 2$) であるとき、確率変数 $X$ の期待値 $E(X)$ と分散 $V(X)$ を求めよ。

確率論・統計学期待値分散確率密度関数積分
2025/6/4

1. 問題の内容

確率変数 XX の取りうる値の範囲が 0x20 \le x \le 2 であり、確率密度関数が f(x)=12xf(x) = \frac{1}{2}x (0x20 \le x \le 2) であるとき、確率変数 XX の期待値 E(X)E(X) と分散 V(X)V(X) を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、期待値 E(X)E(X) を計算します。期待値は、確率密度関数を xx 倍して積分することで求められます。
E(X)=02xf(x)dx=02x12xdx=1202x2dxE(X) = \int_{0}^{2} x f(x) dx = \int_{0}^{2} x \cdot \frac{1}{2}x dx = \frac{1}{2} \int_{0}^{2} x^2 dx
積分を計算します。
02x2dx=[13x3]02=13(2303)=83\int_{0}^{2} x^2 dx = \left[ \frac{1}{3} x^3 \right]_{0}^{2} = \frac{1}{3} (2^3 - 0^3) = \frac{8}{3}
したがって、
E(X)=1283=43E(X) = \frac{1}{2} \cdot \frac{8}{3} = \frac{4}{3}
次に、分散 V(X)V(X) を計算します。分散は V(X)=E(X2)(E(X))2V(X) = E(X^2) - (E(X))^2 で求められます。
まず、E(X2)E(X^2) を計算します。
E(X2)=02x2f(x)dx=02x212xdx=1202x3dxE(X^2) = \int_{0}^{2} x^2 f(x) dx = \int_{0}^{2} x^2 \cdot \frac{1}{2}x dx = \frac{1}{2} \int_{0}^{2} x^3 dx
積分を計算します。
02x3dx=[14x4]02=14(2404)=164=4\int_{0}^{2} x^3 dx = \left[ \frac{1}{4} x^4 \right]_{0}^{2} = \frac{1}{4} (2^4 - 0^4) = \frac{16}{4} = 4
したがって、
E(X2)=124=2E(X^2) = \frac{1}{2} \cdot 4 = 2
次に、(E(X))2(E(X))^2 を計算します。
(E(X))2=(43)2=169(E(X))^2 = \left( \frac{4}{3} \right)^2 = \frac{16}{9}
したがって、
V(X)=E(X2)(E(X))2=2169=189169=29V(X) = E(X^2) - (E(X))^2 = 2 - \frac{16}{9} = \frac{18}{9} - \frac{16}{9} = \frac{2}{9}

3. 最終的な答え

E(X)=43E(X) = \frac{4}{3}
V(X)=29V(X) = \frac{2}{9}

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