0から4までの数字が書かれたカードが2組、合計10枚ある。この10枚からカードを1枚ずつ3回取り出す。取り出したカードは元に戻さない。取り出した順に数字を $a, b, c$ とするとき、$N = 100a + 10b + c$ とする。このとき、$N < 10$ となる確率、$N < 100$ となる確率、$N < 123$ となる確率をそれぞれ求める。

確率論・統計学確率順列場合の数
2025/6/5
## 問題71(1)の解説

1. 問題の内容

0から4までの数字が書かれたカードが2組、合計10枚ある。この10枚からカードを1枚ずつ3回取り出す。取り出したカードは元に戻さない。取り出した順に数字を a,b,ca, b, c とするとき、N=100a+10b+cN = 100a + 10b + c とする。このとき、N<10N < 10 となる確率、N<100N < 100 となる確率、N<123N < 123 となる確率をそれぞれ求める。

2. 解き方の手順

(ア) N<10N < 10 となる場合
N<10N < 10 となるのは、a=0a = 0 かつ b=0b = 0 かつ c{0,1,2,3,4}c \in \{0, 1, 2, 3, 4\} のときである。
まず、a=0a = 0 となる確率は 210=15\frac{2}{10} = \frac{1}{5} である。
次に、b=0b = 0 となる確率は、a=0a=0だったことを考慮すると 19\frac{1}{9} である。
最後に、c{0,1,2,3,4}c \in \{0, 1, 2, 3, 4\} となる確率は、a=0,b=0a=0, b=0だったことを考慮すると 88=1\frac{8}{8} = 1 (取りうるカードの残りは全て条件を満たす) または cc1,2,3,41,2,3,4 のいずれかである確率は a=0a=0が2枚とも取り出された場合 2+2+2+28=88=1\frac{2+2+2+2}{8} = \frac{8}{8} = 1 である.
したがって、N<10N < 10 となる確率は、
210×19×88=290=145\frac{2}{10} \times \frac{1}{9} \times \frac{8}{8} = \frac{2}{90} = \frac{1}{45}
(イ) N<100N < 100 となる場合
N<100N < 100 となるのは、a=0a = 0 のときである。
a=0a=0 となる確率は 210=15\frac{2}{10} = \frac{1}{5} である。
b,cb, c はどのような値でも N<100N < 100 となるので、b,cb, c の条件を満たす確率はそれぞれ1である。
bb は残りの9枚から任意に選ぶので条件を満たす確率は 99=1\frac{9}{9} = 1 である。
cc は残りの8枚から任意に選ぶので条件を満たす確率は 88=1\frac{8}{8} = 1 である。
したがって、N<100N < 100 となる確率は、
210×99×88=15×1×1=15=1890=210\frac{2}{10} \times \frac{9}{9} \times \frac{8}{8} = \frac{1}{5} \times 1 \times 1 = \frac{1}{5} = \frac{18}{90} = \frac{2}{10}
(ウ) N<123N < 123 となる場合
a=0a = 0 のとき、b,cb, c はどのような値でも N<123N < 123 となる。この確率は 210=15\frac{2}{10} = \frac{1}{5} である。
a=1a = 1 のとき、N=100+10b+cN = 100 + 10b + c であり、10b+c<2310b + c < 23 であれば N<123N < 123 となる。
a=1a=1 となる確率は 210=15\frac{2}{10} = \frac{1}{5} である。
b=0b=0 のとき、c<23c < 23 より c{0,2,3,4}c \in \{0, 2, 3, 4\} のいずれかであれば良い。
a=1,b=0a=1, b=0 となる確率は 15×29=245\frac{1}{5} \times \frac{2}{9} = \frac{2}{45} であり、c{0,2,3,4}c \in \{0, 2, 3, 4\} となる確率は 88=1\frac{8}{8} = 1 である.
b=1b=1 のとき、c<13c < 13 より c{0,2,3,4}c \in \{0, 2, 3, 4\} のいずれかであれば良い。
a=1,b=1a=1, b=1 となる確率は 15×29=245\frac{1}{5} \times \frac{2}{9} = \frac{2}{45} であり、c{0,2,3,4}c \in \{0, 2, 3, 4\} となる確率は 88=1\frac{8}{8} = 1 である.
b=2b=2 のとき、c<3c < 3 より c{0,2}c \in \{0, 2\} のいずれかであれば良い。
a=1,b=2a=1, b=2 となる確率は 15×29=245\frac{1}{5} \times \frac{2}{9} = \frac{2}{45} であり、c{0,2}c \in \{0, 2\} となる確率は ccが0,2のうちのどれかであれば良いので確率は 28=14\frac{2}{8} = \frac{1}{4}.
したがって、N<123N < 123 となる確率は、
210+210×(29+29+29×28)=15+15(29+29+118)=15+15(49+118)=15+15(818+118)=15+15×918=15+15×12=15+110=210+110=310\frac{2}{10} + \frac{2}{10} \times (\frac{2}{9} + \frac{2}{9} + \frac{2}{9} \times \frac{2}{8}) = \frac{1}{5} + \frac{1}{5} (\frac{2}{9} + \frac{2}{9} + \frac{1}{18}) = \frac{1}{5} + \frac{1}{5} (\frac{4}{9} + \frac{1}{18}) = \frac{1}{5} + \frac{1}{5} (\frac{8}{18} + \frac{1}{18}) = \frac{1}{5} + \frac{1}{5} \times \frac{9}{18} = \frac{1}{5} + \frac{1}{5} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{5} + \frac{1}{10} = \frac{2}{10} + \frac{1}{10} = \frac{3}{10}

3. 最終的な答え

N<10N < 10 となる確率は 145\frac{1}{45}
N<100N < 100 となる確率は 15\frac{1}{5}
N<123N < 123 となる確率は 310\frac{3}{10}

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