与えられた2つの行列について、対角化可能かどうかを判定し、対角化可能な場合は対角化を行う。 (1) $A = \begin{pmatrix} 0 & 0 & 0 & 1 \\ 0 & 0 & 1 & 0 \\ 0 & 1 & 0 & 0 \\ 1 & 0 & 0 & 0 \end{pmatrix}$ (2) $B = \begin{pmatrix} 2 & 2 & 2 \\ 0 & 3 & 1 \\ -1 & 2 & 3 \end{pmatrix}$
2025/6/4
## 問題の解答
1. 問題の内容
与えられた2つの行列について、対角化可能かどうかを判定し、対角化可能な場合は対角化を行う。
(1)
(2)
2. 解き方の手順
(1) 行列 の場合:
- 固有方程式を計算する: を解き、固有値を求める。
- 各固有値に対応する固有空間を求める。
- 各固有空間の次元(固有値の幾何学的重複度)と、固有値の代数的重複度を比較する。もし全ての固有値に対して、幾何学的重複度=代数的重複度であれば、行列は対角化可能である。
- 対角化可能な場合、固有ベクトルを並べて行列を作成し、が対角行列となるようにする。
(2) 行列 の場合:
- 固有方程式を計算する: を解き、固有値を求める。
- 各固有値に対応する固有空間を求める。
- 各固有空間の次元(固有値の幾何学的重複度)と、固有値の代数的重複度を比較する。もし全ての固有値に対して、幾何学的重複度=代数的重複度であれば、行列は対角化可能である。
- 対角化可能な場合、固有ベクトルを並べて行列を作成し、が対角行列となるようにする。
(1)行列 の固有方程式を計算する:
固有値は (それぞれ重複度 2)。
- の固有空間を求める:
を解く。
固有ベクトルは , 。
固有空間の次元(幾何学的重複度)は 2。
- の固有空間を求める:
を解く。
固有ベクトルは , 。
固有空間の次元(幾何学的重複度)は 2。
各固有値において、幾何学的重複度と代数的重複度が等しいので、行列 は対角化可能。
,
(2) 行列 の固有方程式を計算する:
固有値は 。の重複度は1、の重複度は2。
- の固有空間を求める:
を解く。
固有ベクトルは 。
固有空間の次元(幾何学的重複度)は 1。
- の固有空間を求める:
を解く。
固有ベクトルは 。
固有空間の次元(幾何学的重複度)は 1。
の固有値の代数的重複度は 2 だが、幾何学的重複度は 1 であるため、行列 は対角化不可能である。
3. 最終的な答え
(1) 行列 は対角化可能。
,
(2) 行列 は対角化不可能。