質量 $m$ の質点が、ばね定数 $k$ のばねにつながれて水平に置かれている。ばねの自然長の位置からの質点の変位 $x$ について、以下の問いに答える。 (1) 質点の満たす運動方程式を求める。 (2) 運動方程式の解となり得るものを選択する。 (3) 初期条件 $x(0) = 1$, $v(0) = 0$ を満たす解を求める。

1. 問題の内容

質量 $m$ の質点が、ばね定数 $k$ のばねにつながれて水平に置かれている。ばねの自然長の位置からの質点の変位 $x$ について、以下の問いに答える。

(1) 質点の満たす運動方程式を求める。

(2) 運動方程式の解となり得るものを選択する。

(3) 初期条件 $x(0) = 1$, $v(0) = 0$ を満たす解を求める。

2. 解き方の手順

(1) 運動方程式は、ばねの復元力 $F = -kx$ とニュートンの運動方程式 $F = ma = m\ddot{x}$ を組み合わせることで得られる。ここで $\ddot{x}$ は $x$ の時間に関する2階微分である。

したがって、$m\ddot{x} = -kx$ となる。

(2) 運動方程式 $m\ddot{x} = -kx$ は、$\ddot{x} + \frac{k}{m}x = 0$ と変形できる。

これは単振動の微分方程式であり、その解は $x = A\cos(\omega t + \phi)$ または $x = A\sin(\omega t + \phi)$ の形になる。ここで $\omega = \sqrt{\frac{k}{m}}$ であり、$A$ と $\phi$ は定数である。

選択肢の中で、この形式に合致するものは、

$x = \sin(\sqrt{\frac{k}{m}}t)$、

$x = \sin(\sqrt{\frac{k}{m}}t) + 1$、

$x = 3\cos(\sqrt{\frac{k}{m}}t + \pi)$

である。

(3) 初期条件 $x(0) = 1$, $v(0) = 0$ を満たす解を求める。

それぞれの選択肢について、$x(0)$ と $v(0)$ を計算する。ここで $v(t) = \dot{x}(t)$ である。

1. $x = \frac{k}{m}t^2$: $x(0) = 0$ なので不適。

2. $x = -\frac{k}{m}t^2 + t$: $x(0) = 0$ なので不適。

3. $x = \sin(\sqrt{\frac{k}{m}}t)$: $x(0) = \sin(0) = 0$ なので不適。

4. $x = \sin(\sqrt{\frac{k}{m}}t) + 1$: $x(0) = \sin(0) + 1 = 1$。

$v(t) = \dot{x}(t) = \sqrt{\frac{k}{m}}\cos(\sqrt{\frac{k}{m}}t)$ なので $v(0) = \sqrt{\frac{k}{m}}\cos(0) = \sqrt{\frac{k}{m}} \ne 0$。不適。

5. $x = 3\cos(\sqrt{\frac{k}{m}}t + \pi)$: $x(0) = 3\cos(\pi) = -3$ なので不適。

したがって、どの選択肢も初期条件を満たさない。

3. 最終的な答え

(1) $m\ddot{x} = -kx$

(2) $x = \sin(\sqrt{\frac{k}{m}}t)$、$x = \sin(\sqrt{\frac{k}{m}}t) + 1$、$x = 3\cos(\sqrt{\frac{k}{m}}t + \pi)$

(3) どれも該当しない