水平面となす角が$\theta$の粗い斜面上に質量$m$の物体を置いたところ、物体は斜面を下った。物体と斜面の静止摩擦係数を$\mu_s$, 動摩擦係数を$\mu$, 重力加速度の大きさを$g$とする。以下の問いに答えよ。 (1) 物体にはたらく力を図示せよ。 (2) 物体が斜面から受ける垂直抗力の大きさと、物体の加速度の大きさをそれぞれ求めよ。 (3) 物体を静かに離してから、斜面上を$l$だけ下るのにかかった時間と、そのときの物体の速さを求めよ。

応用数学力学摩擦力運動方程式等加速度運動物理
2025/6/8

1. 問題の内容

水平面となす角がθ\thetaの粗い斜面上に質量mmの物体を置いたところ、物体は斜面を下った。物体と斜面の静止摩擦係数をμs\mu_s, 動摩擦係数をμ\mu, 重力加速度の大きさをggとする。以下の問いに答えよ。
(1) 物体にはたらく力を図示せよ。
(2) 物体が斜面から受ける垂直抗力の大きさと、物体の加速度の大きさをそれぞれ求めよ。
(3) 物体を静かに離してから、斜面上をllだけ下るのにかかった時間と、そのときの物体の速さを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 物体にはたらく力は、重力、垂直抗力、動摩擦力である。
- 重力: 鉛直下向きにmgmg
- 垂直抗力: 斜面に垂直上向きにNN
- 動摩擦力: 斜面上向きにff
(2) 斜面に沿って下向きを正とするxx軸と、斜面に垂直上向きを正とするyy軸を設定する。
- yy方向の力のつり合いの式を立てる。
- xx方向の運動方程式を立てる。
- 動摩擦力ffを垂直抗力NNと動摩擦係数μ\muを用いて表す。
- 加速度aaを求める。
yy方向の力のつり合いより、
Nmgcosθ=0N - mg \cos\theta = 0
よって、垂直抗力は
N=mgcosθN = mg \cos\theta
xx方向の運動方程式は、
ma=mgsinθfma = mg \sin\theta - f
動摩擦力は、
f=μN=μmgcosθf = \mu N = \mu mg \cos\theta
したがって、
ma=mgsinθμmgcosθma = mg \sin\theta - \mu mg \cos\theta
a=g(sinθμcosθ)a = g(\sin\theta - \mu \cos\theta)
(3) 等加速度直線運動の公式を用いる。初速度v0=0v_0 = 0, 加速度a=g(sinθμcosθ)a = g(\sin\theta - \mu \cos\theta), 移動距離llである。
- x=v0t+12at2x = v_0 t + \frac{1}{2} a t^2より、時間を求める。
- v=v0+atv = v_0 + atより、速さを求める。
l=0t+12g(sinθμcosθ)t2l = 0 \cdot t + \frac{1}{2} g(\sin\theta - \mu \cos\theta) t^2
t2=2lg(sinθμcosθ)t^2 = \frac{2l}{g(\sin\theta - \mu \cos\theta)}
t=2lg(sinθμcosθ)t = \sqrt{\frac{2l}{g(\sin\theta - \mu \cos\theta)}}
v=0+g(sinθμcosθ)tv = 0 + g(\sin\theta - \mu \cos\theta) t
v=g(sinθμcosθ)2lg(sinθμcosθ)v = g(\sin\theta - \mu \cos\theta) \sqrt{\frac{2l}{g(\sin\theta - \mu \cos\theta)}}
v=2lg(sinθμcosθ)v = \sqrt{2lg(\sin\theta - \mu \cos\theta)}

3. 最終的な答え

(1) 解答略 (図示)
(2) 垂直抗力の大きさ: mgcosθmg\cos\theta
加速度の大きさ: g(sinθμcosθ)g(\sin\theta - \mu\cos\theta)
(3) 時間: 2lg(sinθμcosθ)\sqrt{\frac{2l}{g(\sin\theta - \mu\cos\theta)}}
速さ: 2lg(sinθμcosθ)\sqrt{2lg(\sin\theta - \mu\cos\theta)}

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