$x \to 0$ のとき、以下の4つの問題に答える。ただし、$a, b, c$ は実数、$l, m, n$ は正の整数とし、$l$ は可能な限り最大の整数とする。 (1) $x^n o(x^m) = o(x^l)$ が成り立つような $l$ を求める。 (2) $\frac{1}{1+x} = 1 + ax + bx^2 + o(x^l)$ が成り立つような $a, b, l$ を求める。 (3) $\{2 + x + o(x)\}\{1 + 2x + x^2 + o(x^2)\} = a + bx + o(x^l)$ が成り立つような $a, b, l$ を求める。 (4) $\frac{(1 + 4x + 2x^2 + o(x^2))(1 - 2x + 3x^2 + o(x^2))}{1+x} = a + bx + cx^2 + o(x^l)$ が成り立つような $a, b, c, l$ を求める。

1. 問題の内容

$x \to 0$ のとき、以下の4つの問題に答える。ただし、$a, b, c$ は実数、$l, m, n$ は正の整数とし、$l$ は可能な限り最大の整数とする。

(1) $x^n o(x^m) = o(x^l)$ が成り立つような $l$ を求める。

(2) $\frac{1}{1+x} = 1 + ax + bx^2 + o(x^l)$ が成り立つような $a, b, l$ を求める。

(3) $\{2 + x + o(x)\}\{1 + 2x + x^2 + o(x^2)\} = a + bx + o(x^l)$ が成り立つような $a, b, l$ を求める。

(4) $\frac{(1 + 4x + 2x^2 + o(x^2))(1 - 2x + 3x^2 + o(x^2))}{1+x} = a + bx + cx^2 + o(x^l)$ が成り立つような $a, b, c, l$ を求める。

2. 解き方の手順

(1) $x^n o(x^m) = o(x^l)$ について考える。

$o(x^m)$ は、$x^m$ よりも高次の項を表す。したがって、$x^n o(x^m) = o(x^{n+m})$ となる。

$o(x^{n+m}) = o(x^l)$ となるためには、$l = n+m$ である必要がある。

ここで、$l$ は可能な限り最大である必要がある。$m$と$n$は正の整数であるので、$l=n+m$は正しい。

(2) $\frac{1}{1+x} = 1 + ax + bx^2 + o(x^l)$ について考える。

$\frac{1}{1+x}$ をマクローリン展開すると、

$\frac{1}{1+x} = 1 - x + x^2 - x^3 + \cdots$ となる。

したがって、

$1 - x + x^2 + o(x^2) = 1 + ax + bx^2 + o(x^l)$

これより、$a = -1$, $b = 1$, $l = 2$ となる。

(3) $\{2 + x + o(x)\}\{1 + 2x + x^2 + o(x^2)\} = a + bx + o(x^l)$ について考える。

展開すると、

$2 + 4x + 2x^2 + o(x^2) + x + 2x^2 + x^3 + o(x^3) + o(x) + o(x^2) = 2 + 5x + 4x^2 + o(x^2)$

$2 + 5x + 4x^2 + o(x^2) = a + bx + o(x^l)$ となる。

したがって、$a = 2$, $b = 5$, $l = 1$ となる。

(4) $\frac{(1 + 4x + 2x^2 + o(x^2))(1 - 2x + 3x^2 + o(x^2))}{1+x} = a + bx + cx^2 + o(x^l)$ について考える。

まず、分子を展開する。

$1 - 2x + 3x^2 + o(x^2) + 4x - 8x^2 + o(x^2) + 2x^2 + o(x^2) + o(x^2) = 1 + 2x - 3x^2 + o(x^2)$

$\frac{1 + 2x - 3x^2 + o(x^2)}{1+x}$ を計算する。

$1 + 2x - 3x^2 = (1+x)(1 + x - 4x^2) + 4x^3$

したがって、$\frac{1 + 2x - 3x^2 + o(x^2)}{1+x} = 1 + x - 4x^2 + o(x^2)$

$1 + x - 4x^2 + o(x^2) = a + bx + cx^2 + o(x^l)$ となる。

したがって、$a = 1$, $b = 1$, $c = -4$, $l = 2$ となる。

3. 最終的な答え

(1) $l = n+m$

(2) $a = -1$, $b = 1$, $l = 2$

(3) $a = 2$, $b = 5$, $l = 1$

(4) $a = 1$, $b = 1$, $c = -4$, $l = 2$