問題は、スカラー三重積の性質を示すものです。 $A \cdot (B \times C) = (A \times B) \cdot C$ この等式が成り立つことを示し、この積がスカラー三重積であることを理解することが目的です。

応用数学ベクトルスカラー三重積ベクトル解析線形代数
2025/6/4

1. 問題の内容

問題は、スカラー三重積の性質を示すものです。
A(B×C)=(A×B)CA \cdot (B \times C) = (A \times B) \cdot C
この等式が成り立つことを示し、この積がスカラー三重積であることを理解することが目的です。

2. 解き方の手順

まず、A=(a1,a2,a3)A = (a_1, a_2, a_3), B=(b1,b2,b3)B = (b_1, b_2, b_3), C=(c1,c2,c3)C = (c_1, c_2, c_3) とします。
ステップ1: B×CB \times C を計算します。
B×C=(b2c3b3c2,b3c1b1c3,b1c2b2c1)B \times C = (b_2c_3 - b_3c_2, b_3c_1 - b_1c_3, b_1c_2 - b_2c_1)
ステップ2: A(B×C)A \cdot (B \times C) を計算します。
A(B×C)=a1(b2c3b3c2)+a2(b3c1b1c3)+a3(b1c2b2c1)A \cdot (B \times C) = a_1(b_2c_3 - b_3c_2) + a_2(b_3c_1 - b_1c_3) + a_3(b_1c_2 - b_2c_1)
=a1b2c3a1b3c2+a2b3c1a2b1c3+a3b1c2a3b2c1= a_1b_2c_3 - a_1b_3c_2 + a_2b_3c_1 - a_2b_1c_3 + a_3b_1c_2 - a_3b_2c_1
ステップ3: A×BA \times B を計算します。
A×B=(a2b3a3b2,a3b1a1b3,a1b2a2b1)A \times B = (a_2b_3 - a_3b_2, a_3b_1 - a_1b_3, a_1b_2 - a_2b_1)
ステップ4: (A×B)C(A \times B) \cdot C を計算します。
(A×B)C=(a2b3a3b2)c1+(a3b1a1b3)c2+(a1b2a2b1)c3(A \times B) \cdot C = (a_2b_3 - a_3b_2)c_1 + (a_3b_1 - a_1b_3)c_2 + (a_1b_2 - a_2b_1)c_3
=a2b3c1a3b2c1+a3b1c2a1b3c2+a1b2c3a2b1c3= a_2b_3c_1 - a_3b_2c_1 + a_3b_1c_2 - a_1b_3c_2 + a_1b_2c_3 - a_2b_1c_3
=a1b2c3a1b3c2+a2b3c1a2b1c3+a3b1c2a3b2c1= a_1b_2c_3 - a_1b_3c_2 + a_2b_3c_1 - a_2b_1c_3 + a_3b_1c_2 - a_3b_2c_1
ステップ5: A(B×C)A \cdot (B \times C)(A×B)C(A \times B) \cdot C の結果を比較します。
ステップ2とステップ4の結果が同じであることがわかります。

3. 最終的な答え

A(B×C)=(A×B)CA \cdot (B \times C) = (A \times B) \cdot C
スカラー三重積は、ベクトルの並び順を巡回置換しても値が変わらないという性質を持ちます。つまり、
A(B×C)=B(C×A)=C(A×B)A \cdot (B \times C) = B \cdot (C \times A) = C \cdot (A \times B)
また、行列式で表現すると、
A(B×C)=a1a2a3b1b2b3c1c2c3A \cdot (B \times C) = \begin{vmatrix} a_1 & a_2 & a_3 \\ b_1 & b_2 & b_3 \\ c_1 & c_2 & c_3 \end{vmatrix}
となります。

「応用数学」の関連問題

質量 $m$ の物体が水平面上を $x$ の正方向に運動している。この物体は、速度 $v$ に比例し、運動方向と逆向きの力 $-\eta v$ ($\eta > 0$) を受ける。初期条件として、$t...

運動方程式微分方程式力学積分
2025/6/6

クインケ管において、C側の管を動かすと10cm動かすごとにDで聞こえる音が小さくなる。音速が340m/sのとき、音の波長と振動数を求める。

音波物理音速波長振動数クインケ管
2025/6/6

定価200円の商品がA商店とB商店で異なる価格で販売されています。A商店では定価のm%で販売し、B商店では200個以下は定価、200個を超える分は定価のn%で販売します。ただし、m, nは自然数です。...

文章問題価格不等式最大値計算
2025/6/6

金属材料の抵抗率が与えられたとき、ヴィーデマン・フランツの法則を用いて、室温における熱伝導度を求める。

物理熱伝導電気抵抗ヴィーデマン・フランツの法則計算
2025/6/6

室温(300 K)におけるある金属材料の抵抗率が $1.7 \times 10^{-8} \ \Omega \cdot \text{m}$ であるとき、ヴィーデマン・フランツの法則を用いて、室温におけ...

物理熱伝導ヴィーデマン・フランツの法則電気抵抗率ローレンツ数
2025/6/6

Sを発射位置として、水平方向から45°の方向にボールを発射した場合と、30°の方向にボールを発射した場合の水平距離を比較し、その結果から言えることを選択肢から選ぶ問題です。

力学物理放物運動三角関数
2025/6/6

等温等積条件で平衡状態にある液体と気体の化学ポテンシャル$\mu_L$と$\mu_G$の関係を求める問題です。 ラグランジュの未定乗数法を使用します。

化学熱力学化学ポテンシャルラグランジュの未定乗数法
2025/6/6

等温等積条件で平衡状態にある液体と気体について、それぞれの化学ポテンシャル$\mu_L$と$\mu_G$の関係を求める問題です。

熱力学化学ポテンシャル相平衡ギブズエネルギー
2025/6/6

等温等積条件で平衡状態にある液体と気体について、それぞれの化学ポテンシャル $\mu_L$(液体)と $\mu_G$(気体)の間の関係を求める問題です。

熱力学化学ポテンシャル平衡状態ギブズエネルギー
2025/6/6

直径 $d = 30 \text{ mm}$、長さ $l = 500 \text{ mm}$ の円形断面軸の一端が固定されており、軸の中央から先端にかけて単位長さあたり $\tau = 300 \te...

材料力学ねじり積分断面二次極モーメント横弾性係数
2025/6/6