$xy$平面において、曲線$C$が$y = |x^2 + 2x - 3|$で与えられています。点$A(-3, 0)$を通る傾き$m$の直線$l$が、$A$以外の相異なる2点で$C$と交わるとき、以下の問いに答えます。 (1) $m$の値の範囲を求めます。 (2) $C$と$l$により囲まれる図形の面積を$S$とするとき、$S$を$m$の式で表します。 (3) (1)の範囲のもとで、$S$が最小となるときの$m$の値を求めます。

解析学積分絶対値面積二次関数微分
2025/6/5

1. 問題の内容

xyxy平面において、曲線CCy=x2+2x3y = |x^2 + 2x - 3|で与えられています。点A(3,0)A(-3, 0)を通る傾きmmの直線llが、AA以外の相異なる2点でCCと交わるとき、以下の問いに答えます。
(1) mmの値の範囲を求めます。
(2) CCllにより囲まれる図形の面積をSSとするとき、SSmmの式で表します。
(3) (1)の範囲のもとで、SSが最小となるときのmmの値を求めます。

2. 解き方の手順

(1)
まず、y=x2+2x3y = |x^2 + 2x - 3|を考えます。
x2+2x3=(x+3)(x1)x^2 + 2x - 3 = (x+3)(x-1)なので、x3x \le -3またはx1x \ge 1のとき、y=x2+2x3y = x^2 + 2x - 3であり、3<x<1-3 < x < 1のとき、y=x22x+3y = -x^2 - 2x + 3です。
A(3,0)A(-3, 0)を通る傾きmmの直線llの方程式は、y=m(x+3)y = m(x+3)です。
CCllの交点のxx座標を求めるため、yyを消去して得られるxxの式を考えます。
x>3x > -3の場合を考えます。
場合1:1x1 \le xのとき、x2+2x3=m(x+3)x^2 + 2x - 3 = m(x+3)
x2+2x3m(x+3)=0x^2 + 2x - 3 - m(x+3) = 0
x2+(2m)x33m=0x^2 + (2-m)x - 3 - 3m = 0
x=3x = -3が解なので、残りの解をx1x_1とすると、x11x_1 \ge 1を満たします。
解と係数の関係から、3+x1=m2-3 + x_1 = m-2なので、x1=m+1x_1 = m+1
m+11m+1 \ge 1より、m0m \ge 0
また、(3)x1=33m(-3)x_1 = -3-3mなので、x1=1+mx_1 = 1+m
x1=m+1x_1 = m+1は条件を満たします。
場合2:3<x<1-3 < x < 1のとき、x22x+3=m(x+3)-x^2 - 2x + 3 = m(x+3)
x2+(m+2)x+3m3=0x^2 + (m+2)x + 3m - 3 = 0
x=3x = -3が解なので、残りの解をx2x_2とすると、3<x2<1-3 < x_2 < 1を満たします。
解と係数の関係から、3+x2=(m+2)-3+x_2 = -(m+2)なので、x2=1mx_2 = 1-m
3<1m<1-3 < 1-m < 1より、0<m<40 < m < 4
(3)x2=3m3(-3)x_2 = 3m - 3なので、x2=1mx_2 = 1-m
AA以外の相異なる2点でCCと交わるので、場合1と場合2が同時に起こり、0<m0 < mかつ0<m<40 < m < 4を満たす必要があります。また、場合1の解は1より大きく、場合2の解は1より小さい必要があります。
よって、0<m<40 < m < 4です。
(2)
S=31m{m(x+3)(x22x+3)}dx+1+m1{m(x+3)(x2+2x3)}dxS = \int_{-3}^{1-m} \{m(x+3) - (-x^2-2x+3)\} dx + \int_{1+m}^{1} \{m(x+3) - (x^2+2x-3)\} dx
S=31m(x2+(m+2)x+(3m3))dx+11+m(x2+(m2)x+(3+3m))dxS = \int_{-3}^{1-m} (x^2+(m+2)x+(3m-3)) dx + \int_{1}^{1+m} (-x^2+(m-2)x+(3+3m)) dx
S=(4m)36+(m0)36=16{(4m)3m3}S = \frac{(4-m)^3}{6}+\frac{(m-0)^3}{6} = \frac{1}{6}\{(4-m)^3 - m^3\}
S=16(6448m+12m2m3+m3)=16(48m+12m2+64)=2m28m+323S = \frac{1}{6}(64 - 48m + 12m^2 - m^3 + m^3) = \frac{1}{6}(-48m + 12m^2 + 64) = 2m^2-8m+\frac{32}{3}
(3)
S=2m28m+323=2(m24m)+323=2((m2)24)+323=2(m2)28+323=2(m2)2+83S = 2m^2 - 8m + \frac{32}{3} = 2(m^2 - 4m) + \frac{32}{3} = 2((m-2)^2 - 4) + \frac{32}{3} = 2(m-2)^2 - 8 + \frac{32}{3} = 2(m-2)^2 + \frac{8}{3}
SSが最小となるのは、m=2m = 2のときです。
0<m<40 < m < 4を満たすので、m=2m = 2は条件を満たします。

3. 最終的な答え

(1) 0<m<40 < m < 4
(2) S=2m28m+323S = 2m^2-8m+\frac{32}{3}
(3) m=2m = 2

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