与えられた行列AとBの指定された余因子を計算する問題です。 行列 A = $\begin{bmatrix} 4 & 3 \\ 2 & 1 \end{bmatrix}$, 行列 B = $\begin{bmatrix} 1 & 1 & -2 \\ 1 & 1 & 1 \\ -1 & 0 & 1 \end{bmatrix}$

代数学行列余因子行列式
2025/6/5

1. 問題の内容

与えられた行列AとBの指定された余因子を計算する問題です。
行列 A = [4321]\begin{bmatrix} 4 & 3 \\ 2 & 1 \end{bmatrix}, 行列 B = [112111101]\begin{bmatrix} 1 & 1 & -2 \\ 1 & 1 & 1 \\ -1 & 0 & 1 \end{bmatrix}

2. 解き方の手順

余因子の定義に従い、指定された行と列を取り除いた小行列の行列式に符号を掛けたものを計算します。余因子A~ij\tilde{A}_{ij}は、元の行列Aからi行目とj列目を取り除いた行列の行列式に(1)i+j(-1)^{i+j}をかけたものです。
(1) A~11\tilde{A}_{11}:
Aから1行目と1列目を取り除いた行列は[1]なので、A~11=(1)1+11=1\tilde{A}_{11} = (-1)^{1+1} \cdot 1 = 1
(2) A~12\tilde{A}_{12}:
Aから1行目と2列目を取り除いた行列は[2]なので、A~12=(1)1+22=2\tilde{A}_{12} = (-1)^{1+2} \cdot 2 = -2
(3) A~21\tilde{A}_{21}:
Aから2行目と1列目を取り除いた行列は[3]なので、A~21=(1)2+13=3\tilde{A}_{21} = (-1)^{2+1} \cdot 3 = -3
(4) A~22\tilde{A}_{22}:
Aから2行目と2列目を取り除いた行列は[4]なので、A~22=(1)2+24=4\tilde{A}_{22} = (-1)^{2+2} \cdot 4 = 4
(5) B~11\tilde{B}_{11}:
Bから1行目と1列目を取り除いた行列は[1101]\begin{bmatrix} 1 & 1 \\ 0 & 1 \end{bmatrix}なので、B~11=(1)1+1(1110)=1\tilde{B}_{11} = (-1)^{1+1} \cdot (1 \cdot 1 - 1 \cdot 0) = 1
(6) B~12\tilde{B}_{12}:
Bから1行目と2列目を取り除いた行列は[1111]\begin{bmatrix} 1 & 1 \\ -1 & 1 \end{bmatrix}なので、B~12=(1)1+2(111(1))=2\tilde{B}_{12} = (-1)^{1+2} \cdot (1 \cdot 1 - 1 \cdot (-1)) = -2
(7) B~13\tilde{B}_{13}:
Bから1行目と3列目を取り除いた行列は[1110]\begin{bmatrix} 1 & 1 \\ -1 & 0 \end{bmatrix}なので、B~13=(1)1+3(101(1))=1\tilde{B}_{13} = (-1)^{1+3} \cdot (1 \cdot 0 - 1 \cdot (-1)) = 1
(8) B~22\tilde{B}_{22}:
Bから2行目と2列目を取り除いた行列は[1211]\begin{bmatrix} 1 & -2 \\ -1 & 1 \end{bmatrix}なので、B~22=(1)2+2(11(2)(1))=1\tilde{B}_{22} = (-1)^{2+2} \cdot (1 \cdot 1 - (-2) \cdot (-1)) = -1
(9) B~23\tilde{B}_{23}:
Bから2行目と3列目を取り除いた行列は[1110]\begin{bmatrix} 1 & 1 \\ -1 & 0 \end{bmatrix}なので、B~23=(1)2+3(101(1))=1\tilde{B}_{23} = (-1)^{2+3} \cdot (1 \cdot 0 - 1 \cdot (-1)) = -1
(10) B~33\tilde{B}_{33}:
Bから3行目と3列目を取り除いた行列は[1111]\begin{bmatrix} 1 & 1 \\ 1 & 1 \end{bmatrix}なので、B~33=(1)3+3(1111)=0\tilde{B}_{33} = (-1)^{3+3} \cdot (1 \cdot 1 - 1 \cdot 1) = 0

3. 最終的な答え

(1) A~11=1\tilde{A}_{11} = 1
(2) A~12=2\tilde{A}_{12} = -2
(3) A~21=3\tilde{A}_{21} = -3
(4) A~22=4\tilde{A}_{22} = 4
(5) B~11=1\tilde{B}_{11} = 1
(6) B~12=2\tilde{B}_{12} = -2
(7) B~13=1\tilde{B}_{13} = 1
(8) B~22=1\tilde{B}_{22} = -1
(9) B~23=1\tilde{B}_{23} = -1
(10) B~33=0\tilde{B}_{33} = 0

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