(1) 数列 $a_n = \sqrt{n+1} - \sqrt{n}$ が単調減少であることを示し、極限を求める。 (2) $A = \{1 - \frac{1}{n} | n=1, 2, 3, ...\}$ の上限と下限を求める。

1. 問題の内容

(1) 数列 $a_n = \sqrt{n+1} - \sqrt{n}$ が単調減少であることを示し、極限を求める。

(2) $A = \{1 - \frac{1}{n} | n=1, 2, 3, ...\}$ の上限と下限を求める。

2. 解き方の手順

(1)

数列 $a_n$ が単調減少であることを示すには、$a_{n+1} - a_n < 0$ であることを示せばよい。

$a_{n+1} - a_n = (\sqrt{n+2} - \sqrt{n+1}) - (\sqrt{n+1} - \sqrt{n}) = \sqrt{n+2} + \sqrt{n} - 2\sqrt{n+1}$

$a_{n+1} - a_n = \frac{(\sqrt{n+2} - \sqrt{n+1}) - (\sqrt{n+1} - \sqrt{n}))(\sqrt{n+2} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n})}{\sqrt{n+2} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n}} = \frac{(n+2) + n -2(n+1) + 2\sqrt{(n+2)n} -2\sqrt{n+1}\sqrt{n}}{\sqrt{n+2} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n}} = \frac{n+2 + n - 2n -2 +2(\sqrt{(n+2)n} - \sqrt{n+1}\sqrt{n})}{\sqrt{n+2}+\sqrt{n+1} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n}}$

$a_{n+1} - a_n = \frac{2\sqrt{n^2+2n}-2\sqrt{n^2+n}}{\sqrt{n+2} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n}} = \frac{2(\sqrt{n^2+2n} - \sqrt{n^2+n})}{\sqrt{n+2} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n+1} + \sqrt{n}} < 0$

なぜなら $n^2+2n > n^2+n$ より $\sqrt{n^2+2n} > \sqrt{n^2+n}$なので分子は正である。

なので $a_{n+1} - a_n = \frac{n+2-n-1 - (\sqrt{(n+1)^2-1} -n)}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}} = 1 < 0$

これは間違い。

あるいは、

$a_n = \sqrt{n+1} - \sqrt{n} = \frac{(\sqrt{n+1} - \sqrt{n})(\sqrt{n+1} + \sqrt{n})}{\sqrt{n+1} + \sqrt{n}} = \frac{n+1 - n}{\sqrt{n+1} + \sqrt{n}} = \frac{1}{\sqrt{n+1} + \sqrt{n}}$

$a_n = \frac{1}{\sqrt{n+1} + \sqrt{n}}$

$n$ が増加すると $\sqrt{n+1}$ と $\sqrt{n}$ も増加するので、$\sqrt{n+1} + \sqrt{n}$ は増加する。従って、$a_n = \frac{1}{\sqrt{n+1} + \sqrt{n}}$ は単調減少する。

極限：

$\lim_{n \to \infty} a_n = \lim_{n \to \infty} \frac{1}{\sqrt{n+1} + \sqrt{n}} = 0$

(2)

$A = \{1 - \frac{1}{n} | n=1, 2, 3, ...\}$

$n=1$ のとき $1 - \frac{1}{1} = 0$

$n=2$ のとき $1 - \frac{1}{2} = \frac{1}{2}$

$n=3$ のとき $1 - \frac{1}{3} = \frac{2}{3}$

$n$ が増加すると $\frac{1}{n}$ は減少するので、$1 - \frac{1}{n}$ は増加する。

$\lim_{n \to \infty} (1 - \frac{1}{n}) = 1$

したがって、

下限：0

上限：1

3. 最終的な答え

(1) 数列 {$a_n$} は単調減少であり、極限は0である。

(2) 集合Aの下限は0、上限は1である。