実数 $x, y, z$ が $x + y + z = 1$ を満たすとき、不等式 $x^2 + y^2 + z^2 \geq \frac{1}{3}$ が成り立つことを示し、また等号が成り立つときの $x, y, z$ の値を求める。ただし、コーシー・シュワルツの不等式は使用しない。

代数学不等式実数最小値等号条件
2025/3/27

1. 問題の内容

実数 x,y,zx, y, zx+y+z=1x + y + z = 1 を満たすとき、不等式 x2+y2+z213x^2 + y^2 + z^2 \geq \frac{1}{3} が成り立つことを示し、また等号が成り立つときの x,y,zx, y, z の値を求める。ただし、コーシー・シュワルツの不等式は使用しない。

2. 解き方の手順

まず、x2+y2+z2x^2 + y^2 + z^2 の最小値を求めるために、ラグランジュの未定乗数法を用いることを考えます。しかし、ここではコーシー・シュワルツの不等式を使わない方法が求められているので、別の方法を考えます。
x+y+z=1x + y + z = 1 の条件を利用して、x2+y2+z2x^2 + y^2 + z^2 を変形します。
(x+y+z)2=x2+y2+z2+2(xy+yz+zx)(x + y + z)^2 = x^2 + y^2 + z^2 + 2(xy + yz + zx)
12=x2+y2+z2+2(xy+yz+zx)1^2 = x^2 + y^2 + z^2 + 2(xy + yz + zx)
1=x2+y2+z2+2(xy+yz+zx)1 = x^2 + y^2 + z^2 + 2(xy + yz + zx)
x2+y22xyx^2 + y^2 \geq 2xy, y2+z22yzy^2 + z^2 \geq 2yz, z2+x22zxz^2 + x^2 \geq 2zx の関係を利用して、
2(x2+y2+z2)2(xy+yz+zx)2(x^2 + y^2 + z^2) \geq 2(xy + yz + zx)
x2+y2+z2xy+yz+zxx^2 + y^2 + z^2 \geq xy + yz + zx
1=x2+y2+z2+2(xy+yz+zx)x2+y2+z2+2(x2+y2+z2)=3(x2+y2+z2)1 = x^2 + y^2 + z^2 + 2(xy + yz + zx) \leq x^2 + y^2 + z^2 + 2(x^2 + y^2 + z^2) = 3(x^2 + y^2 + z^2)
したがって、
13(x2+y2+z2)1 \leq 3(x^2 + y^2 + z^2)
x2+y2+z213x^2 + y^2 + z^2 \geq \frac{1}{3}
等号が成り立つのは、x=y=zx = y = z のときです。
x+y+z=1x + y + z = 1 なので、x=y=z=13x = y = z = \frac{1}{3} のとき、x2+y2+z2=(13)2+(13)2+(13)2=19+19+19=39=13x^2 + y^2 + z^2 = (\frac{1}{3})^2 + (\frac{1}{3})^2 + (\frac{1}{3})^2 = \frac{1}{9} + \frac{1}{9} + \frac{1}{9} = \frac{3}{9} = \frac{1}{3} となり、不等式が成り立ちます。

3. 最終的な答え

不等式 x2+y2+z213x^2 + y^2 + z^2 \geq \frac{1}{3} が成り立つ。
等号が成り立つのは x=y=z=13x = y = z = \frac{1}{3} のとき。

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