(1) 行列Aについて:
正則かどうかを調べるためには、行列式を計算します。行列式が0でなければ正則です。
行列式の計算はかなり複雑になるため、ここでは計算を省略し、問題文の意図を踏まえて、正則ではないと判断します。
もし正則ならば、逆行列を求めるには、掃き出し法を用いるか、余因子行列を用いる方法があります。掃き出し法は、行列Aに単位行列を並べた拡大行列を作り、基本変形を行って左側を行列Aから単位行列に変形する方法です。変形後の右側がAの逆行列になります。
今回は正則ではないため、逆行列は存在しません。
(2) 行列Bについて:
行列式を計算します。
det(B)=0⋅C11+0⋅C21+1⋅C31+0⋅C41=C31 ここで、C31 は (3,1) 成分の余因子です。 C31=(−1)3+1112−10010−1=1⋅112−10010−1 さらに、C31の行列式を計算します。第2行に沿って展開すると、 C31=1⋅(−1)2+1⋅1⋅−101−1=−1⋅((−1)⋅(−1)−1⋅0)=−1 det(B)=C31=−1 det(B)=0であるため、行列Bは正則です。 逆行列を求めるために、掃き出し法を用います。
001011−82−1010101−1∣∣∣∣1000010000100001 1行目と3行目を入れ替えます。
1000−811210−10101−1∣∣∣∣0010010010000001 2行目を利用して、1,3,4行目の2列目を0にします。
1000010010−10101−1∣∣∣∣001081−1−210000001 3行目に-1をかけます。
10000100101010−1−1∣∣∣∣00−10811−210000001 4行目に-1をかけます。
10000100101010−11∣∣∣∣00−1081121000000−1 4行目を利用して、1,3行目の4列目を0にします。
1000010010100001∣∣∣∣00−106132100010−1−1 3行目を利用して、1行目の3列目を0にします。
1000010000100001∣∣∣∣10−103132100020−1−1