与えられた極限を計算します。 $$\lim_{t \to 0} \frac{\sin^{-1}(2t)}{t}$$

解析学極限ロピタルの定理逆三角関数マクローリン展開
2025/6/6

1. 問題の内容

与えられた極限を計算します。
limt0sin1(2t)t\lim_{t \to 0} \frac{\sin^{-1}(2t)}{t}

2. 解き方の手順

sin1(x)\sin^{-1}(x) のマクローリン展開を利用します。sin1(x)=x+x36+3x540+...\sin^{-1}(x) = x + \frac{x^3}{6} + \frac{3x^5}{40} + ... ですから、sin1(2t)=2t+(2t)36+3(2t)540+...=2t+8t36+3(32t5)40+...\sin^{-1}(2t) = 2t + \frac{(2t)^3}{6} + \frac{3(2t)^5}{40} + ... = 2t + \frac{8t^3}{6} + \frac{3(32t^5)}{40} + ... となります。
limt0sin1(2t)t=limt02t+8t36+96t540+...t\lim_{t \to 0} \frac{\sin^{-1}(2t)}{t} = \lim_{t \to 0} \frac{2t + \frac{8t^3}{6} + \frac{96t^5}{40} + ...}{t}
=limt0(2+8t26+96t440+...)= \lim_{t \to 0} \left(2 + \frac{8t^2}{6} + \frac{96t^4}{40} + ...\right)
t0t \to 0のとき、t2,t4,...t^2, t^4, ... は0に近づくので、
limt0(2+8t26+96t440+...)=2\lim_{t \to 0} \left(2 + \frac{8t^2}{6} + \frac{96t^4}{40} + ...\right) = 2
別の解き方として、ロピタルの定理を利用できます。
limt0sin1(2t)t\lim_{t \to 0} \frac{\sin^{-1}(2t)}{t}00\frac{0}{0} の不定形なので、ロピタルの定理を適用できます。
limt0sin1(2t)t=limt0ddtsin1(2t)ddtt=limt021(2t)21\lim_{t \to 0} \frac{\sin^{-1}(2t)}{t} = \lim_{t \to 0} \frac{\frac{d}{dt} \sin^{-1}(2t)}{\frac{d}{dt} t} = \lim_{t \to 0} \frac{\frac{2}{\sqrt{1-(2t)^2}}}{1}
=limt0214t2=210=2= \lim_{t \to 0} \frac{2}{\sqrt{1-4t^2}} = \frac{2}{\sqrt{1-0}} = 2

3. 最終的な答え

2

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