関数 $f(x) = |x|$ が $x=0$ で微分可能でないことを示す。

解析学微分可能性絶対値関数極限解析学
2025/6/6

1. 問題の内容

関数 f(x)=xf(x) = |x|x=0x=0 で微分可能でないことを示す。

2. 解き方の手順

関数の微分可能性は、ある点における左右からの極限が存在し、かつそれらが一致する場合に保証されます。つまり、x=ax=af(x)f(x) が微分可能であるためには、以下の極限が存在し、一致する必要があります。
左極限:
limh0f(a+h)f(a)h\lim_{h \to 0^-} \frac{f(a+h) - f(a)}{h}
右極限:
limh0+f(a+h)f(a)h\lim_{h \to 0^+} \frac{f(a+h) - f(a)}{h}
今回は a=0a=0 であり、f(x)=xf(x) = |x| なので、それぞれを計算します。
まず、x=0x=0 における左極限を計算します。
f(0)=0=0f(0) = |0| = 0 です。
h<0h < 0 のとき、h=h|h| = -h であることに注意すると、
limh00+h0h=limh0hh=limh0hh=limh0(1)=1\lim_{h \to 0^-} \frac{|0+h| - |0|}{h} = \lim_{h \to 0^-} \frac{|h|}{h} = \lim_{h \to 0^-} \frac{-h}{h} = \lim_{h \to 0^-} (-1) = -1
次に、x=0x=0 における右極限を計算します。
h>0h > 0 のとき、h=h|h| = h であることに注意すると、
limh0+0+h0h=limh0+hh=limh0+hh=limh0+(1)=1\lim_{h \to 0^+} \frac{|0+h| - |0|}{h} = \lim_{h \to 0^+} \frac{|h|}{h} = \lim_{h \to 0^+} \frac{h}{h} = \lim_{h \to 0^+} (1) = 1
左極限は 1-1 であり、右極限は 11 です。
11-1 \ne 1 であるため、左右の極限は一致しません。
したがって、f(x)=xf(x) = |x|x=0x=0 で微分可能ではありません。

3. 最終的な答え

f(x)=xf(x) = |x|x=0x=0 で微分可能でない。

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