$m$ を実数とする。放物線 $y = x^2 - 4x + 4$ (1) と直線 $y = mx - m + 2$ (2) がある。 (1) 直線 (2) は $m$ の値にかかわらず定点を通る。この点を求めよ。 (2) 放物線 (1) と直線 (2) は異なる2点で交わることを示せ。 (3) 放物線 (1) と直線 (2) の交点のx座標を $\alpha, \beta (\alpha < \beta)$ とするとき、(1) と (2) で囲まれた部分の面積 $S$ を $\alpha, \beta$ で表せ。 (4) $S$ を $m$ で表し、$S$ の最小値とそのときの $m$ の値を求めよ。

代数学二次関数直線交点面積積分判別式解と係数の関係定点
2025/6/7

1. 問題の内容

mm を実数とする。放物線 y=x24x+4y = x^2 - 4x + 4 (1) と直線 y=mxm+2y = mx - m + 2 (2) がある。
(1) 直線 (2) は mm の値にかかわらず定点を通る。この点を求めよ。
(2) 放物線 (1) と直線 (2) は異なる2点で交わることを示せ。
(3) 放物線 (1) と直線 (2) の交点のx座標を α,β(α<β)\alpha, \beta (\alpha < \beta) とするとき、(1) と (2) で囲まれた部分の面積 SSα,β\alpha, \beta で表せ。
(4) SSmm で表し、SS の最小値とそのときの mm の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
直線 y=mxm+2y = mx - m + 2mm について整理すると、
y=m(x1)+2y = m(x - 1) + 2
この式が任意の mm に対して成り立つためには、
x1=0x - 1 = 0 かつ y=2y = 2
したがって、x=1x = 1 かつ y=2y = 2
よって、直線 (2) は mm の値にかかわらず定点 (1,2)(1, 2) を通る。
(2)
放物線 (1) と直線 (2) の交点の xx 座標を求めるために、yy を消去して、xx の方程式を作る。
x24x+4=mxm+2x^2 - 4x + 4 = mx - m + 2
x2(4+m)x+(2+m)=0x^2 - (4 + m)x + (2 + m) = 0
この2次方程式が異なる2つの実数解を持つことを示す。
判別式 DD は、
D=(4+m)24(2+m)D = (4 + m)^2 - 4(2 + m)
D=16+8m+m284mD = 16 + 8m + m^2 - 8 - 4m
D=m2+4m+8D = m^2 + 4m + 8
D=(m+2)2+4D = (m + 2)^2 + 4
任意の mm に対して、 (m+2)20(m + 2)^2 \geq 0 であるから、 D=(m+2)2+4>0D = (m + 2)^2 + 4 > 0 である。
したがって、放物線 (1) と直線 (2) は異なる2点で交わる。
(3)
放物線 (1) と直線 (2) で囲まれた部分の面積 SS は、
S=αβ{(mxm+2)(x24x+4)}dxS = \int_{\alpha}^{\beta} \{(mx - m + 2) - (x^2 - 4x + 4)\} dx
S=αβ{x2+(4+m)x(2+m)}dxS = \int_{\alpha}^{\beta} \{-x^2 + (4 + m)x - (2 + m)\} dx
S=αβ(xα)(xβ)dxS = -\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx
S=16(βα)3S = \frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3
(4)
x2(4+m)x+(2+m)=0x^2 - (4 + m)x + (2 + m) = 0 の2つの解が α,β\alpha, \beta であるから、解と係数の関係より、
α+β=4+m\alpha + \beta = 4 + m
αβ=2+m\alpha \beta = 2 + m
(βα)2=(α+β)24αβ(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha \beta
(βα)2=(4+m)24(2+m)(\beta - \alpha)^2 = (4 + m)^2 - 4(2 + m)
(βα)2=16+8m+m284m(\beta - \alpha)^2 = 16 + 8m + m^2 - 8 - 4m
(βα)2=m2+4m+8(\beta - \alpha)^2 = m^2 + 4m + 8
(βα)2=(m+2)2+4(\beta - \alpha)^2 = (m + 2)^2 + 4
βα=(m+2)2+4\beta - \alpha = \sqrt{(m + 2)^2 + 4}
S=16(βα)3S = \frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3
S=16{(m+2)2+4}3/2S = \frac{1}{6} \{(m + 2)^2 + 4\}^{3/2}
SS を最小にする mm は、 (m+2)2(m + 2)^2 を最小にする m=2m = -2 である。
このとき、 (m+2)2=0(m + 2)^2 = 0 であるから、
S=16(0+4)3/2S = \frac{1}{6}(0 + 4)^{3/2}
S=16(43/2)=16(8)=43S = \frac{1}{6}(4^{3/2}) = \frac{1}{6}(8) = \frac{4}{3}

3. 最終的な答え

(1) (1,2)(1, 2)
(2) 判別式 D=(m+2)2+4>0D = (m + 2)^2 + 4 > 0 より、異なる2点で交わる。
(3) S=16(βα)3S = \frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3
(4) S=16{(m+2)2+4}3/2S = \frac{1}{6} \{(m + 2)^2 + 4\}^{3/2}, SS の最小値は 43\frac{4}{3}, そのときの mm の値は 2-2

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