$V$ はベクトル空間であり、$W_1$ と $W_2$ は $V$ の部分空間である。$W_1 \cup W_2$ が $V$ の部分空間ならば、$W_1 \subseteq W_2$ または $W_1 \supseteq W_2$ であることを示す。

代数学線形代数ベクトル空間部分空間証明
2025/6/8

1. 問題の内容

VV はベクトル空間であり、W1W_1W2W_2VV の部分空間である。W1W2W_1 \cup W_2VV の部分空間ならば、W1W2W_1 \subseteq W_2 または W1W2W_1 \supseteq W_2 であることを示す。

2. 解き方の手順

背理法を用いる。
W1W2W_1 \subseteq W_2 でも W1W2W_1 \supseteq W_2 でもないと仮定する。つまり、W1W2W_1 \nsubseteq W_2 かつ W1W2W_1 \nsupseteq W_2 であると仮定する。
W1W2W_1 \nsubseteq W_2 より、W1W_1 に属するが W2W_2 に属さないベクトル w1w_1 が存在する。すなわち、w1W1w_1 \in W_1 かつ w1W2w_1 \notin W_2
同様に、W1W2W_1 \nsupseteq W_2 より、W2W_2 に属するが W1W_1 に属さないベクトル w2w_2 が存在する。すなわち、w2W2w_2 \in W_2 かつ w2W1w_2 \notin W_1
ここで、W1W2W_1 \cup W_2VV の部分空間であるという仮定を用いる。
w1W1W2w_1 \in W_1 \cup W_2 かつ w2W1W2w_2 \in W_1 \cup W_2 より、w1+w2W1W2w_1 + w_2 \in W_1 \cup W_2 でなければならない (部分空間の定義より)。
したがって、w1+w2W1w_1 + w_2 \in W_1 または w1+w2W2w_1 + w_2 \in W_2 のいずれかが成り立つ。
(i) w1+w2W1w_1 + w_2 \in W_1 の場合:
このとき、w2=(w1+w2)w1w_2 = (w_1 + w_2) - w_1 と書ける。w1+w2W1w_1 + w_2 \in W_1 かつ w1W1w_1 \in W_1 であり、W1W_1 は部分空間なので、w2W1w_2 \in W_1 となる。これは、w2W1w_2 \notin W_1 という仮定に矛盾する。
(ii) w1+w2W2w_1 + w_2 \in W_2 の場合:
このとき、w1=(w1+w2)w2w_1 = (w_1 + w_2) - w_2 と書ける。w1+w2W2w_1 + w_2 \in W_2 かつ w2W2w_2 \in W_2 であり、W2W_2 は部分空間なので、w1W2w_1 \in W_2 となる。これは、w1W2w_1 \notin W_2 という仮定に矛盾する。
いずれの場合も矛盾が生じるため、W1W2W_1 \nsubseteq W_2 かつ W1W2W_1 \nsupseteq W_2 という仮定が誤りである。
したがって、W1W2W_1 \subseteq W_2 または W1W2W_1 \supseteq W_2 が成り立つ。

3. 最終的な答え

W1W2W_1 \subseteq W_2 または W1W2W_1 \supseteq W_2 が成り立つ。

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