弦の振動に関する問題です。 (1) 弦を伝わる波の速さ $v$ を求めます。 (2) おもりの質量を4倍にしたとき、定常波の腹の数がいくつになるかを求めます。 (3) おもりの質量を5倍にしたとき、弦に生じる波がどうなるか選択肢から選びます。 (4) 装置Bの弦をはじいたときの振動数 $f$ が、装置Aのおんさの振動数 $f_0$ の何倍かを求めます。 (5) 装置Cの弦の長さが $L_C$ ($L_C > L$)のとき、2つの装置B,Cの弦を同時にはじいたところ、1秒間に $n$ 回のうなりが生じた。装置Cの弦をはじいたときに発生する音の振動数 $f_C$ を $f$ と $n$ を用いて表します。 (6) 装置Cの弦の長さを $a$ だけ短くして、2つの装置の弦を同時にはじくと、やはり1秒間に $n$ 回のうなりが生じた。$a$ を $L$ と $L_C$ を用いて表します。

応用数学波動弦の振動波の速さ定常波うなり
2025/6/8

1. 問題の内容

弦の振動に関する問題です。
(1) 弦を伝わる波の速さ vv を求めます。
(2) おもりの質量を4倍にしたとき、定常波の腹の数がいくつになるかを求めます。
(3) おもりの質量を5倍にしたとき、弦に生じる波がどうなるか選択肢から選びます。
(4) 装置Bの弦をはじいたときの振動数 ff が、装置Aのおんさの振動数 f0f_0 の何倍かを求めます。
(5) 装置Cの弦の長さが LCL_C (LC>LL_C > L)のとき、2つの装置B,Cの弦を同時にはじいたところ、1秒間に nn 回のうなりが生じた。装置Cの弦をはじいたときに発生する音の振動数 fCf_Cffnn を用いて表します。
(6) 装置Cの弦の長さを aa だけ短くして、2つの装置の弦を同時にはじくと、やはり1秒間に nn 回のうなりが生じた。aaLLLCL_C を用いて表します。

2. 解き方の手順

(1)
弦の長さを LL とすると、腹が4つの定常波が生じているので、L=4×λ2L = 4 \times \frac{\lambda}{2} 、つまり λ=L2\lambda = \frac{L}{2} です。
振動数は f0f_0 なので、波の速さ vvv=f0λ=f0L2v = f_0 \lambda = f_0 \frac{L}{2} となります。
(2)
弦の張力 SS はおもりの重力に比例します。おもりの質量が4倍になると、張力も4倍になります。
波の速さ vvv=Sρv = \sqrt{\frac{S}{\rho}} で与えられるので、張力が4倍になると波の速さは2倍になります。
v=2v=2×f0L2=f0Lv' = 2v = 2 \times f_0 \frac{L}{2} = f_0 L
振動数 f0f_0 は変わらないので、波長 λ\lambda'λ=vf0=f0Lf0=L\lambda' = \frac{v'}{f_0} = \frac{f_0 L}{f_0} = L となります。
弦の長さ LL は変わらないので、腹の数 nn'L=nλ2L = n' \frac{\lambda'}{2} を満たします。
L=nL2L = n' \frac{L}{2} より、n=2n' = 2 となります。
(3)
おもりの質量を5倍にすると、張力も5倍になります。
波の速さ vvv=Sρv = \sqrt{\frac{S}{\rho}} で与えられるので、張力が5倍になると波の速さは5\sqrt{5}倍になります。
振動数 f0f_0 は変わらないので、波長 λ\lambdaλ=vf0\lambda = \frac{v}{f_0} となり、5\sqrt{5}倍になります。
したがって、腹の数は L=nλ2L = n \frac{\lambda}{2} で与えられ、波長が5\sqrt{5}倍になると、腹の数も変化します。
前の問題では、腹の数が変化したので、選択肢は1,2,3のいずれかとなります。
腹の数が変わるので、定常波が生じないという選択肢4は誤りです。
λ\lambda5\sqrt{5}倍になると腹の数は 4/51.794 / \sqrt{5} \approx 1.79 となり、整数値でないので、定常波は生じません。
よって、選択肢4が正しいです。
(4)
装置Bでは、弦の両端が固定されています。基本振動なので、弦の長さ LLλ2\frac{\lambda}{2} に等しくなります。つまり、λ=2L\lambda = 2L です。
v=Sρv = \sqrt{\frac{S}{\rho}} であり、張力 SS はおもりの重力に等しいので、S=mgS = mg (mは最初の質量)です。よって、v=mgρv = \sqrt{\frac{mg}{\rho}}
装置Bの振動数 fff=vλ=mgρ2Lf = \frac{v}{\lambda} = \frac{\sqrt{\frac{mg}{\rho}}}{2L} となります。
装置Aでは、v=f0L2=Sρ=mgρv = \frac{f_0 L}{2} = \sqrt{\frac{S}{\rho}} = \sqrt{\frac{mg}{\rho}}より、f0L2=mgρ\frac{f_0 L}{2} = \sqrt{\frac{mg}{\rho}}。よって f0=2Lmgρf_0 = \frac{2}{L}\sqrt{\frac{mg}{\rho}}
したがって、ff0=mgρ2L2Lmgρ=14\frac{f}{f_0} = \frac{\frac{\sqrt{\frac{mg}{\rho}}}{2L}}{\frac{2}{L}\sqrt{\frac{mg}{\rho}}} = \frac{1}{4}
f=14f0f = \frac{1}{4} f_0
(5)
装置Bの振動数は f=14f0f = \frac{1}{4}f_0 。装置Cの弦の長さが LC>LL_C > L なので、装置Cの振動数 fCf_C は装置Bの振動数 ff より小さくなります。
うなりが生じるのは、2つの振動数の差がうなりの回数に等しいからです。
ffC=n|f - f_C| = n
fC<ff_C < f なので、ffC=nf - f_C = n
fC=fnf_C = f - n
(6)
装置Cの弦の長さを aa だけ短くすると、振動数が大きくなり、fCf_C'とします。
ffC=n|f - f_C'| = n
fC>ff_C' > f なので、fCf=nf_C' - f = n
fC=f+nf_C' = f + n
fC=12(LCa)mgρf_C' = \frac{1}{2(L_C-a)} \sqrt{\frac{mg}{\rho}}
fC=12LCmgρf_C = \frac{1}{2L_C} \sqrt{\frac{mg}{\rho}}
fCfC=LCLCa\frac{f_C'}{f_C} = \frac{L_C}{L_C - a}
fC=LCLCafCf_C' = \frac{L_C}{L_C - a} f_C
f+n=LCLCa(fn)f + n = \frac{L_C}{L_C - a} (f - n)
(f+n)(LCa)=LC(fn)(f + n)(L_C - a) = L_C (f - n)
fLCaf+nLCan=fLCnLCfL_C - af + nL_C - an = fL_C - nL_C
afan=2nLC-af - an = -2nL_C
a(f+n)=2nLCa(f + n) = 2nL_C
a=2nLCf+na = \frac{2nL_C}{f+n}
ここで、f=14f0=12Lmgρf = \frac{1}{4} f_0 = \frac{1}{2L} \sqrt{\frac{mg}{\rho}} なので、
a=2nLC12Lmgρ+na = \frac{2nL_C}{\frac{1}{2L} \sqrt{\frac{mg}{\rho}} + n}
f=14f0f = \frac{1}{4} f_0 であり、f0=2Lmgρf_0 = \frac{2}{L}\sqrt{\frac{mg}{\rho}} より、
a=2nLCf+n=2nLC14f0+na = \frac{2n L_C}{f+n} = \frac{2n L_C}{\frac{1}{4}f_0 + n}
a=2nLC142Lmgρ+na = \frac{2n L_C}{\frac{1}{4}\frac{2}{L} \sqrt{\frac{mg}{\rho}} + n}

3. 最終的な答え

(1) f0L2\frac{f_0 L}{2}
(2) 2
(3) ④ 定常波は生じない
(4) 14\frac{1}{4}
(5) fnf - n
(6) 2nLCf+n\frac{2n L_C}{f+n}

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