関数 $f(x) = \frac{x}{x^2 + 1}$ の増減と凹凸を調べ、曲線 $y = f(x)$ の概形を描く。

1. 問題の内容

関数 $f(x) = \frac{x}{x^2 + 1}$ の増減と凹凸を調べ、曲線 $y = f(x)$ の概形を描く。

2. 解き方の手順

(1) 導関数 $f'(x)$ を求める。

商の微分公式を用いると、

$f'(x) = \frac{(x^2 + 1)(1) - x(2x)}{(x^2 + 1)^2} = \frac{x^2 + 1 - 2x^2}{(x^2 + 1)^2} = \frac{1 - x^2}{(x^2 + 1)^2}$

(2) $f'(x) = 0$ となる $x$ を求める。

$f'(x) = 0$ となるのは、分子が 0 になるときなので、

$1 - x^2 = 0$ より $x^2 = 1$。よって $x = \pm 1$。

(3) $f'(x)$ の符号を調べる。

$x < -1$ のとき $f'(x) < 0$。

$-1 < x < 1$ のとき $f'(x) > 0$。

$x > 1$ のとき $f'(x) < 0$。

したがって、

$x = -1$ で極小値 $f(-1) = \frac{-1}{(-1)^2 + 1} = -\frac{1}{2}$

$x = 1$ で極大値 $f(1) = \frac{1}{1^2 + 1} = \frac{1}{2}$

をとる。

(4) 第2次導関数 $f''(x)$ を求める。

$f'(x) = \frac{1 - x^2}{(x^2 + 1)^2}$ をさらに微分する。

$f''(x) = \frac{(x^2 + 1)^2(-2x) - (1 - x^2)(2(x^2 + 1)(2x))}{(x^2 + 1)^4}$

$= \frac{(x^2 + 1)(-2x(x^2 + 1) - 4x(1 - x^2))}{(x^2 + 1)^4}$

$= \frac{-2x^3 - 2x - 4x + 4x^3}{(x^2 + 1)^3} = \frac{2x^3 - 6x}{(x^2 + 1)^3} = \frac{2x(x^2 - 3)}{(x^2 + 1)^3}$

(5) $f''(x) = 0$ となる $x$ を求める。

$f''(x) = 0$ となるのは、分子が 0 になるときなので、

$2x(x^2 - 3) = 0$ より $x = 0, \pm \sqrt{3}$。

(6) $f''(x)$ の符号を調べる。

$x < -\sqrt{3}$ のとき $f''(x) < 0$ （上に凸）。

$-\sqrt{3} < x < 0$ のとき $f''(x) > 0$ （下に凸）。

$0 < x < \sqrt{3}$ のとき $f''(x) < 0$ （上に凸）。

$x > \sqrt{3}$ のとき $f''(x) > 0$ （下に凸）。

したがって、

$x = -\sqrt{3}$ で変曲点 $f(-\sqrt{3}) = \frac{-\sqrt{3}}{3 + 1} = -\frac{\sqrt{3}}{4}$

$x = 0$ で変曲点 $f(0) = 0$

$x = \sqrt{3}$ で変曲点 $f(\sqrt{3}) = \frac{\sqrt{3}}{3 + 1} = \frac{\sqrt{3}}{4}$

(7) 増減表、凹凸表を作成し、グラフを描く。

3. 最終的な答え

関数 $f(x) = \frac{x}{x^2 + 1}$ の増減と凹凸を調べた結果と、それに基づいて描かれるグラフの概形は以下の通り。

- 極大値: $f(1) = \frac{1}{2}$

- 極小値: $f(-1) = -\frac{1}{2}$

- 変曲点: $(-\sqrt{3}, -\frac{\sqrt{3}}{4})$, $(0, 0)$, $(\sqrt{3}, \frac{\sqrt{3}}{4})$

- グラフは原点に関して対称。

- $x \to \infty$ のとき $f(x) \to 0$

- $x \to -\infty$ のとき $f(x) \to 0$

- 漸近線は $y=0$