三角形ABCにおいて、$\sin A \cos A = \sin B \cos B + \sin C \cos C$ が成り立つとき、この三角形はどのような三角形か。

幾何学三角関数三角形三角比倍角の公式和積の公式直角三角形
2025/6/8

1. 問題の内容

三角形ABCにおいて、sinAcosA=sinBcosB+sinCcosC\sin A \cos A = \sin B \cos B + \sin C \cos C が成り立つとき、この三角形はどのような三角形か。

2. 解き方の手順

まず、倍角の公式 sin2x=2sinxcosx\sin 2x = 2 \sin x \cos x を利用して、与えられた等式を変形します。
sinAcosA=sinBcosB+sinCcosC\sin A \cos A = \sin B \cos B + \sin C \cos C
12sin2A=12sin2B+12sin2C\frac{1}{2} \sin 2A = \frac{1}{2} \sin 2B + \frac{1}{2} \sin 2C
両辺に2をかけると、
sin2A=sin2B+sin2C\sin 2A = \sin 2B + \sin 2C
ここで、三角関数の和積の公式 sinx+siny=2sinx+y2cosxy2\sin x + \sin y = 2 \sin \frac{x+y}{2} \cos \frac{x-y}{2} を用います。
sin2A=2sin(B+C)cos(BC)\sin 2A = 2 \sin (B+C) \cos (B-C)
三角形の内角の和はπ\piなので、A+B+C=πA+B+C = \pi より B+C=πAB+C = \pi - A です。従って、sin(B+C)=sin(πA)=sinA\sin(B+C) = \sin(\pi - A) = \sin A が成り立ちます。
また、2A=2π2(B+C)2A=2\pi - 2(B+C)よりsin2A=sin(2π2(B+C))=sin2(B+C)\sin 2A = \sin (2\pi - 2(B+C))= -\sin 2(B+C)
sin2A=2sinAcos(BC)\sin 2A = 2 \sin A \cos (B-C)
ここで、2A=π(B+C)2A = \pi - (B+C)より
sin2A=sin(2(π(B+C))=sin2(B+C)=2sin(B+C)cos(B+C)\sin2A = \sin(2(\pi-(B+C))= \sin 2(B+C) = 2 \sin(B+C) \cos(B+C)
sinA=sin(B+C)\sin A = \sin (B+C)なので、A=B+CA=B+CまたはA+B+C=πA+B+C=\pi.
A=π/2A = \pi/2 のときsin2A=0\sin2A = 0.
sin2A=0\sin2A=0であればsin2B+sin2C=0\sin 2B + \sin2C =0でありsin2B=sin2C=sin(2C)\sin 2B = - \sin 2C= \sin (-2C).
したがって、2B=2C2B=-2CつまりB=CB=-Cまたは2B+2C=π2B+2C=\pi.
A+B+C=πA+B+C=\piであることから2B+2C=2π2A2B+2C=2\pi-2A,よってsin2A=0\sin 2A=0であり、 sin2B=sin2C\sin 2B = -\sin 2Cとなる。
sinA=sin(π(B+C))=sin(B+C)\sin A = \sin(\pi - (B+C)) = \sin (B+C)であるから、
2sin(B+C)cos(B+C)=2sin(B+C)cos(BC)2 \sin (B+C) \cos (B+C) = 2 \sin (B+C) \cos(B-C)
sin(B+C)=sinA0\sin(B+C) = \sin A \neq 0なので、2sinA2 \sin A で割ると、
cos(B+C)=cos(BC)\cos (B+C) = \cos (B-C)
したがって、B+C=BCB+C = B-C または B+C=(BC)B+C = -(B-C) が成り立ちます。
B+C=BCB+C = B-C のとき C=0C = 0 となり矛盾します。
B+C=B+CB+C = -B+C のとき 2B=02B = 0 つまり B=0B = 0 となり矛盾します。
B+C=πAB+C = \pi - A を代入すると、
sin2A=2sinAcos(BC)\sin 2A=2\sin A \cos (B-C)
2sinAcosA=2sinAcos(BC)2\sin A \cos A = 2\sin A \cos(B-C)
sinA0\sin A \ne 0より
cosA=cos(BC)\cos A = \cos(B-C)
A=BCA = B-C または A=CBA=C-B または A=CB+2nπA = C-B+2n\pi
三角形の内角なので、
A=BCA = B-C より AB+C=0A-B+C=0A+B+C=πA+B+C = \piより2A+2C=π2A+2C=\piつまりA+C=π/2A+C=\pi/2で、B=π/2B=\pi/2
またはA=CBA = C-B より A+BC=0A+B-C=0A+B+C=πA+B+C = \piより2A+2B=π2A+2B=\piつまりA+B=π/2A+B=\pi/2で、C=π/2C=\pi/2
よって、B=π2B=\frac{\pi}{2}C=π2C=\frac{\pi}{2}である。つまり、直角三角形である。

3. 最終的な答え

直角三角形

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