正規直交関数系であるためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
* 直交性:異なる関数同士の内積が0であること。
* 正規性:各関数のノルム(絶対値)が1であること。
まず、直交性を確認します。任意の自然数 m,n について、以下の積分を計算します。 * ∫−ππ1⋅cos(nt)dt * ∫−ππcos(mt)⋅cos(nt)dt (ただし、m=n) * ∫−ππ1⋅1dt * ∫−ππcos(nt)⋅cos(nt)dt 次に、正規性を確認します。各関数のノルム(積分区間における二乗積分)を計算し、規格化されているか(ノルムが1になっているか)を確認します。
* ∫−ππ12dt * ∫−ππcos2(nt)dt **ステップ1:直交性の確認**
* ∫−ππcos(nt)dt=[nsin(nt)]−ππ=nsin(nπ)−nsin(−nπ)=0 * ∫−ππcos(mt)cos(nt)dt=∫−ππ21[cos((m+n)t)+cos((m−n)t)]dt =21[m+nsin((m+n)t)+m−nsin((m−n)t)]−ππ=0 (m=nの場合) **ステップ2:正規性の確認**
* ∫−ππ1dt=[t]−ππ=π−(−π)=2π したがって,1 のノルムは 2π となり、規格化されていません。 * ∫−ππcos2(nt)dt=∫−ππ21+cos(2nt)dt=[2t+4nsin(2nt)]−ππ=2π−2−π=π したがって、cos(nt) のノルムは π となり、規格化されていません。 **ステップ3:規格化**
直交性は確認できましたが、正規化されていないため、各関数を規格化する必要があります。規格化された関数系は次のようになります。
{2π1,πcost,πcos2t,πcos3t,...}