(1) 行列の積の計算
行列の積 XY が定義できるのは、X の列数と Y の行数が等しいときです。定義できる場合は、それぞれの成分を計算します。 (a) BA: B は 2×3 行列、A は 2×2 行列なので、BA は定義できません。 (b) AB: A は 2×2 行列、B は 2×3 行列なので、AB は定義でき、2×3 行列になります。 AB=(31−26)(−101−302)=(−3−19−17−412) (c) CE: C は 3×2 行列、E は 2×1 行列なので、CE は定義でき、3×1 行列になります。 CE=15−120−6(2−3)=−41016 (d) DB: D は 1×2 行列、B は 2×3 行列なので、DB は定義でき、1×3 行列になります。 DB=(3−2)(−101−302)=(−39−4) (2) 連立一次方程式を解く
与えられた連立一次方程式
⎩⎨⎧x+y+z=23x+y+9z=82x+3y−z=3 の拡大係数行列は
13211319−1283 です。この行列を行基本変形して被約階段行列に変形します。
まず、2行目から1行目の3倍を、3行目から1行目の2倍を引きます。
1001−2116−322−1 次に、2行目を-2で割ります。
1001111−3−32−1−1 次に、1行目から2行目を引き、3行目から2行目を引きます。
1000104−303−10 よって、解は x=3−4z, y=−1+3z (zは任意) (3) 行列の正則性判定と逆行列または階数の計算
(a) A=123245356 det(A)=1(4⋅6−5⋅5)−2(2⋅6−5⋅3)+3(2⋅5−4⋅3)=(24−25)−2(12−15)+3(10−12)=−1+6−6=−1=0 A は正則なので、逆行列を求めます。余因子行列を計算します。 C=−13−23−31−210 A−1=det(A)1CT=−11−13−23−31−210=1−32−33−12−10 (b) B=01−2−2112−21 det(B)=0(1⋅1−(−2)⋅1)−(−2)(1⋅1−(−2)⋅(−2))+2(1⋅1−1⋅(−2))=0+2(1−4)+2(1+2)=−6+6=0 01−2−2112−21→10−21−21−221→1001−23−22−3→100111−2−1−1→100010−1−10 階数は2です。