袋Aには赤球3個、黄球2個が入っており、袋Bには白球3個、青球2個が入っている。 袋Aから2個の球を取り出したときの赤球の個数を確率変数$X$、袋Bから2個の球を取り出したときの青球の個数を確率変数$Y$とする。 このとき、$E(X+3Y)$, $E(XY)$, $V(X-3Y)$を求めよ。

確率論・統計学確率変数期待値分散確率分布組み合わせ
2025/6/8

1. 問題の内容

袋Aには赤球3個、黄球2個が入っており、袋Bには白球3個、青球2個が入っている。
袋Aから2個の球を取り出したときの赤球の個数を確率変数XX、袋Bから2個の球を取り出したときの青球の個数を確率変数YYとする。
このとき、E(X+3Y)E(X+3Y), E(XY)E(XY), V(X3Y)V(X-3Y)を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、XXYYの確率分布を求める。次に、期待値E(X),E(Y)E(X), E(Y)、分散V(X),V(Y)V(X), V(Y)、共分散Cov(X,Y)Cov(X, Y)を計算する。最後に、これらの値を用いてE(X+3Y)E(X+3Y), E(XY)E(XY), V(X3Y)V(X-3Y)を計算する。
(1) XXの確率分布:
袋Aから2個の球を取り出す。赤球の個数XXは0, 1, 2のいずれかの値をとる。
- X=0X=0となる確率: 2個とも黄球を取り出す確率。
P(X=0)=2C25C2=110P(X=0) = \frac{{}_2C_2}{{}_5C_2} = \frac{1}{10}
- X=1X=1となる確率: 赤球1個、黄球1個を取り出す確率。
P(X=1)=3C12C15C2=3210=610=35P(X=1) = \frac{{}_3C_1 \cdot {}_2C_1}{{}_5C_2} = \frac{3 \cdot 2}{10} = \frac{6}{10} = \frac{3}{5}
- X=2X=2となる確率: 2個とも赤球を取り出す確率。
P(X=2)=3C25C2=310P(X=2) = \frac{{}_3C_2}{{}_5C_2} = \frac{3}{10}
(2) YYの確率分布:
袋Bから2個の球を取り出す。青球の個数YYは0, 1, 2のいずれかの値をとる。
- Y=0Y=0となる確率: 2個とも白球を取り出す確率。
P(Y=0)=3C25C2=310P(Y=0) = \frac{{}_3C_2}{{}_5C_2} = \frac{3}{10}
- Y=1Y=1となる確率: 白球1個、青球1個を取り出す確率。
P(Y=1)=3C12C15C2=3210=610=35P(Y=1) = \frac{{}_3C_1 \cdot {}_2C_1}{{}_5C_2} = \frac{3 \cdot 2}{10} = \frac{6}{10} = \frac{3}{5}
- Y=2Y=2となる確率: 2個とも青球を取り出す確率。
P(Y=2)=2C25C2=110P(Y=2) = \frac{{}_2C_2}{{}_5C_2} = \frac{1}{10}
(3) 期待値と分散の計算:
- E(X)=0110+1610+2310=6+610=1210=65E(X) = 0 \cdot \frac{1}{10} + 1 \cdot \frac{6}{10} + 2 \cdot \frac{3}{10} = \frac{6+6}{10} = \frac{12}{10} = \frac{6}{5}
- E(Y)=0310+1610+2110=6+210=810=45E(Y) = 0 \cdot \frac{3}{10} + 1 \cdot \frac{6}{10} + 2 \cdot \frac{1}{10} = \frac{6+2}{10} = \frac{8}{10} = \frac{4}{5}
- E(X2)=02110+12610+22310=6+1210=1810=95E(X^2) = 0^2 \cdot \frac{1}{10} + 1^2 \cdot \frac{6}{10} + 2^2 \cdot \frac{3}{10} = \frac{6+12}{10} = \frac{18}{10} = \frac{9}{5}
- E(Y2)=02310+12610+22110=6+410=1010=1E(Y^2) = 0^2 \cdot \frac{3}{10} + 1^2 \cdot \frac{6}{10} + 2^2 \cdot \frac{1}{10} = \frac{6+4}{10} = \frac{10}{10} = 1
- V(X)=E(X2)(E(X))2=95(65)2=953625=453625=925V(X) = E(X^2) - (E(X))^2 = \frac{9}{5} - (\frac{6}{5})^2 = \frac{9}{5} - \frac{36}{25} = \frac{45-36}{25} = \frac{9}{25}
- V(Y)=E(Y2)(E(Y))2=1(45)2=11625=251625=925V(Y) = E(Y^2) - (E(Y))^2 = 1 - (\frac{4}{5})^2 = 1 - \frac{16}{25} = \frac{25-16}{25} = \frac{9}{25}
XXYYは独立なので、Cov(X,Y)=0Cov(X, Y) = 0
(4) 求める値の計算:
- E(X+3Y)=E(X)+3E(Y)=65+345=6+125=185E(X+3Y) = E(X) + 3E(Y) = \frac{6}{5} + 3 \cdot \frac{4}{5} = \frac{6+12}{5} = \frac{18}{5}
- E(XY)=E(X)E(Y)=6545=2425E(XY) = E(X)E(Y) = \frac{6}{5} \cdot \frac{4}{5} = \frac{24}{25}
- V(X3Y)=V(X)+(3)2V(Y)+2(3)Cov(X,Y)=V(X)+9V(Y)6Cov(X,Y)=925+99250=9+8125=9025=185V(X-3Y) = V(X) + (-3)^2V(Y) + 2(-3)Cov(X,Y) = V(X) + 9V(Y) - 6Cov(X,Y) = \frac{9}{25} + 9 \cdot \frac{9}{25} - 0 = \frac{9+81}{25} = \frac{90}{25} = \frac{18}{5}

3. 最終的な答え

E(X+3Y)=185E(X+3Y) = \frac{18}{5}
E(XY)=2425E(XY) = \frac{24}{25}
V(X3Y)=185V(X-3Y) = \frac{18}{5}

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