母平均1、母標準偏差1の母集団から大きさ $n$ の無作為標本を抽出する。標本平均 $\overline{X}$ が0.9以上1.1以下である確率を、$n=100, 400$ の場合について考察する問題です。$n=100$ のとき、$\overline{X}$ は近似的に正規分布 $N(1, (\frac{1}{10})^2)$ に従うとき、$Z = \frac{\overline{X}-1}{ア}$ とおくと、$Z$ は近似的に標準正規分布 $N(0,1)$ に従う。ア、イ、ウ、エオカ、キクケ、コの空欄を埋める問題です。

確率論・統計学標本平均正規分布統計的推定標準正規分布確率
2025/6/8

1. 問題の内容

母平均1、母標準偏差1の母集団から大きさ nn の無作為標本を抽出する。標本平均 X\overline{X} が0.9以上1.1以下である確率を、n=100,400n=100, 400 の場合について考察する問題です。n=100n=100 のとき、X\overline{X} は近似的に正規分布 N(1,(110)2)N(1, (\frac{1}{10})^2) に従うとき、Z=X1Z = \frac{\overline{X}-1}{ア} とおくと、ZZ は近似的に標準正規分布 N(0,1)N(0,1) に従う。ア、イ、ウ、エオカ、キクケ、コの空欄を埋める問題です。

2. 解き方の手順

まず、アを求めます。
X\overline{X}N(1,(110)2)N(1, (\frac{1}{10})^2) に従うとき、標準偏差は 110\frac{1}{10} です。
標準化を行うために、Z=X1110=10(X1)Z = \frac{\overline{X} - 1}{\frac{1}{10}} = 10(\overline{X} - 1) となります。したがって、アは 110\frac{1}{10} となり、選択肢(1)です。
次に、イを求めます。
P(0.9X1.1)P(0.9 \leq \overline{X} \leq 1.1)ZZ を用いて表します。
Z=10(X1)Z = 10(\overline{X} - 1) なので、X=0.9\overline{X} = 0.9 のとき Z=10(0.91)=1Z = 10(0.9 - 1) = -1
X=1.1\overline{X} = 1.1 のとき Z=10(1.11)=1Z = 10(1.1 - 1) = 1
したがって、P(0.9X1.1)=P(1Z1)P(0.9 \leq \overline{X} \leq 1.1) = P(-1 \leq Z \leq 1) となり、イは1です。
次に、ウを求めます。
P(1Z1)=P(Z1)P(Z1)=P(Z1)(1P(Z1))=2P(Z1)1P(-1 \leq Z \leq 1) = P(Z \leq 1) - P(Z \leq -1) = P(Z \leq 1) - (1 - P(Z \leq 1)) = 2P(Z \leq 1) - 1
P(0Z1)=P(Z1)P(Z0)=P(Z1)0.5P(0 \leq Z \leq 1) = P(Z \leq 1) - P(Z \leq 0) = P(Z \leq 1) - 0.5
P(Z1)=P(0Z1)+0.5P(Z \leq 1) = P(0 \leq Z \leq 1) + 0.5
P(1Z1)=2(P(0Z1)+0.5)1=2P(0Z1)+11=2P(0Z1)P(-1 \leq Z \leq 1) = 2(P(0 \leq Z \leq 1) + 0.5) - 1 = 2P(0 \leq Z \leq 1) + 1 - 1 = 2P(0 \leq Z \leq 1)
したがって、ウは2です。
ZZ が標準正規分布に従うとき、P(0Z1)0.3413P(0 \leq Z \leq 1) \approx 0.3413 なので、P(0.9X1.1)=2P(0Z1)2(0.3413)=0.6826P(0.9 \leq \overline{X} \leq 1.1) = 2P(0 \leq Z \leq 1) \approx 2(0.3413) = 0.6826
したがって、エオカは0.6826です。
n=400n=400 のとき、X\overline{X} は近似的に正規分布 N(1,(120)2)N(1, (\frac{1}{20})^2) に従います。
Z=X1120=20(X1)Z = \frac{\overline{X}-1}{\frac{1}{20}} = 20(\overline{X}-1)
P(0.9X1.1)=P(20(0.91)Z20(1.11))=P(2Z2)=2P(0Z2)2(0.4772)=0.9544P(0.9 \leq \overline{X} \leq 1.1) = P(20(0.9-1) \leq Z \leq 20(1.1-1)) = P(-2 \leq Z \leq 2) = 2P(0 \leq Z \leq 2) \approx 2(0.4772) = 0.9544
したがって、キクケは0.9544です。
nn が大きくなると、確率 P(0.9X1.1)P(0.9 \leq \overline{X} \leq 1.1) が大きくなるので、X\overline{X} はより母平均1に近づくことがわかります。したがって、コには「nが大きいほど、標本平均は母平均に近づく」が入ります。

3. 最終的な答え

ア: (1) 110\frac{1}{10}
イ: 1
ウ: 2
エオカ: 0.6826
キクケ: 0.9544
コ: nが大きいほど、標本平均は母平均に近づく

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