変量 $X, Y$ のデータ $(x_i, y_i)$ が与えられている。定数 $a, b, c, d$ ($a \ne 0$, $b \ne 0$)を用いて、新たな変量 $X', Y'$ のデータ $(x'_i, y'_i)$ を $x'_i = ax_i + b$, $y'_i = cy_i + d$ ($i = 1, 2, \dots, n$) で定義する。 (1) $X'$ の分散は、$X$ の分散の何倍になるか。 (2) $X'$ と $Y'$ の共分散は、$X$ と $Y$ の共分散の何倍になるか。 (3) $X'$ と $Y'$ の相関係数は、$X$ と $Y$ の相関係数の何倍になるか。 選択肢の中から適切なものを選ぶ。

確率論・統計学分散共分散相関係数データの変換統計
2025/6/9

1. 問題の内容

変量 X,YX, Y のデータ (xi,yi)(x_i, y_i) が与えられている。定数 a,b,c,da, b, c, d (a0a \ne 0, b0b \ne 0)を用いて、新たな変量 X,YX', Y' のデータ (xi,yi)(x'_i, y'_i)xi=axi+bx'_i = ax_i + b, yi=cyi+dy'_i = cy_i + d (i=1,2,,ni = 1, 2, \dots, n) で定義する。
(1) XX' の分散は、XX の分散の何倍になるか。
(2) XX'YY' の共分散は、XXYY の共分散の何倍になるか。
(3) XX'YY' の相関係数は、XXYY の相関係数の何倍になるか。
選択肢の中から適切なものを選ぶ。

2. 解き方の手順

(1) 分散について:
X=aX+bX' = aX + b のとき、XX' の分散 V(X)V(X') は、
V(X)=V(aX+b)=a2V(X)V(X') = V(aX + b) = a^2 V(X)
したがって、XX' の分散は、XX の分散の a2a^2 倍になる。アの答えは ①。
(2) 共分散について:
X=aX+bX' = aX + b, Y=cY+dY' = cY + d のとき、XX'YY' の共分散 Cov(X,Y)Cov(X', Y') は、
Cov(X,Y)=Cov(aX+b,cY+d)=acCov(X,Y)Cov(X', Y') = Cov(aX + b, cY + d) = ac Cov(X, Y)
したがって、XX'YY' の共分散は、XXYY の共分散の acac 倍になる。イの答えは ②。
(3) 相関係数について:
X=aX+bX' = aX + b, Y=cY+dY' = cY + d のとき、XX'YY' の相関係数 r(X,Y)r(X', Y') は、
r(X,Y)=Cov(X,Y)V(X)V(Y)=acCov(X,Y)a2V(X)c2V(Y)=acacCov(X,Y)V(X)V(Y)=acacr(X,Y)r(X', Y') = \frac{Cov(X', Y')}{\sqrt{V(X') V(Y')}} = \frac{ac Cov(X, Y)}{\sqrt{a^2 V(X) c^2 V(Y)}} = \frac{ac}{|ac|} \frac{Cov(X, Y)}{\sqrt{V(X) V(Y)}} = \frac{ac}{|ac|} r(X, Y)
ここで、r(X,Y)r(X, Y)XXYY の相関係数である。したがって、XX'YY' の相関係数は、XXYY の相関係数の acac\frac{ac}{|ac|} 倍になる。
つまり、ac>0ac > 0 のとき1倍、ac<0ac < 0 のとき-1倍になるので、常に1|1|以下になる。答えは③。

3. 最終的な答え

ア: ① a2a^2
イ: ② acac
ウ: ③ acac\frac{ac}{|ac|}

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