数直線上を移動する点Pがあり、さいころを投げて2以下の目が出たら正の方向に3、3以上の目が出たら負の方向に1移動する。さいころをm回投げたときの点Pの座標をXとする。 (1) m=5のとき、5回のうち2以下の目が出た回数をNとする。確率変数Nの平均、分散、XとNの関係式、確率変数Xの平均、標準偏差を求める。 (2) Xの平均がちょうど4となるとき、さいころを投げた回数mと、X=0となる確率を求める。

確率論・統計学確率二項分布期待値分散標準偏差
2025/6/9

1. 問題の内容

数直線上を移動する点Pがあり、さいころを投げて2以下の目が出たら正の方向に3、3以上の目が出たら負の方向に1移動する。さいころをm回投げたときの点Pの座標をXとする。
(1) m=5のとき、5回のうち2以下の目が出た回数をNとする。確率変数Nの平均、分散、XとNの関係式、確率変数Xの平均、標準偏差を求める。
(2) Xの平均がちょうど4となるとき、さいころを投げた回数mと、X=0となる確率を求める。

2. 解き方の手順

(1)
* Nは二項分布に従う。1回の試行で2以下の目が出る確率は 26=13\frac{2}{6} = \frac{1}{3}
* Nの平均は E[N]=m×p=5×13=53E[N] = m \times p = 5 \times \frac{1}{3} = \frac{5}{3}
* Nの分散は V[N]=m×p×(1p)=5×13×23=109V[N] = m \times p \times (1-p) = 5 \times \frac{1}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{10}{9}
* XとNの関係式を求める。N回2以下の目が出ると3Nだけ正の方向に移動し、残りの(5-N)回は3以上の目が出るので、-(5-N)だけ負の方向に移動する。したがって、X=3N(5N)=4N5X = 3N - (5-N) = 4N - 5
* Xの平均は E[X]=E[4N5]=4E[N]5=4×535=203153=53E[X] = E[4N - 5] = 4E[N] - 5 = 4 \times \frac{5}{3} - 5 = \frac{20}{3} - \frac{15}{3} = \frac{5}{3}
* Xの分散は V[X]=V[4N5]=42V[N]=16×109=1609V[X] = V[4N - 5] = 4^2 V[N] = 16 \times \frac{10}{9} = \frac{160}{9}
* Xの標準偏差は σ[X]=V[X]=1609=1603=4103\sigma[X] = \sqrt{V[X]} = \sqrt{\frac{160}{9}} = \frac{\sqrt{160}}{3} = \frac{4\sqrt{10}}{3}
(2)
* m回さいころを投げたとき、2以下の目が出る回数をNとすると、Nは二項分布に従う。1回の試行で2以下の目が出る確率は 13\frac{1}{3}
* Nの平均は E[N]=m×13=m3E[N] = m \times \frac{1}{3} = \frac{m}{3}
* XとNの関係式は X=4NmX = 4N - m
* Xの平均は E[X]=E[4Nm]=4E[N]m=4×m3m=4m33m3=m3E[X] = E[4N - m] = 4E[N] - m = 4 \times \frac{m}{3} - m = \frac{4m}{3} - \frac{3m}{3} = \frac{m}{3}
* E[X]=4E[X] = 4となるので、m3=4\frac{m}{3} = 4より、m=12m = 12
* X=0X = 0となるのは、4Nm=04N - m = 0、つまり4N12=04N - 12 = 0、よってN=3N = 3のとき。
* Nは二項分布B(12,13)B(12, \frac{1}{3})に従うので、N=3N=3となる確率は
P(N=3)=(123)(13)3(23)9=12×11×103×2×1×29312=220×29312=55×211312=55×2048531441=112640531441=22029312=44028312=22029312=55211312=55×2048531441=112640531441P(N=3) = \binom{12}{3} (\frac{1}{3})^3 (\frac{2}{3})^9 = \frac{12 \times 11 \times 10}{3 \times 2 \times 1} \times \frac{2^9}{3^{12}} = 220 \times \frac{2^9}{3^{12}} = \frac{55 \times 2^{11}}{3^{12}} = \frac{55 \times 2048}{531441} = \frac{112640}{531441} = \frac{220 \cdot 2^9}{3^{12}} = \frac{440\cdot 2^8}{3^{12}} = \frac{220\cdot 2^9}{3^{12}} = \frac{55\cdot 2^{11}}{3^{12}} = \frac{55 \times 2048}{531441} = \frac{112640}{531441}。約分はできないので、 55×211312=5529+2312=55429312=22029312\frac{55 \times 2^{11}}{3^{12}} = \frac{55\cdot 2^{9+2}}{3^{12}}=\frac{55\cdot4\cdot 2^9}{3^{12}}=\frac{220 \cdot 2^9}{3^{12}}となる。

3. 最終的な答え

(1)
Nの平均: 53\frac{5}{3}
Nの分散: 109\frac{10}{9}
XとNの関係式: 4N54N - 5
Xの平均: 53\frac{5}{3}
Xの標準偏差: 4103\frac{4\sqrt{10}}{3}
(2)
m = 12
X=0となる確率: 55211312\frac{55 \cdot 2^{11}}{3^{12}}

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