3次元極座標において、以下の問いに答える問題です。 (1) $\theta$ と $\phi$ を固定し、$r$ のみを微小量 $\Delta r$ 変化させたとき、単位ベクトル $n_r$ を求める。 (2) $r$ と $\phi$ を固定し、$\theta$ のみを変化させたとき、単位ベクトル $n_\theta$ を求める。 (3) $r$ と $\theta$ を固定し、$\phi$ を $0 \le \phi \le 2\pi$ の範囲で変化させたとき、その軌跡の半径が $r \sin\theta$ となることを示す。 (4) (3) の状況で、$\phi$ を微小角度 $\Delta \phi$ 変化させたとき、単位ベクトル $n_\phi$ を求める。

1. 問題の内容

3次元極座標において、以下の問いに答える問題です。

(1) $\theta$ と $\phi$ を固定し、$r$ のみを微小量 $\Delta r$ 変化させたとき、単位ベクトル $n_r$ を求める。

(2) $r$ と $\phi$ を固定し、$\theta$ のみを変化させたとき、単位ベクトル $n_\theta$ を求める。

(3) $r$ と $\theta$ を固定し、$\phi$ を $0 \le \phi \le 2\pi$ の範囲で変化させたとき、その軌跡の半径が $r \sin\theta$ となることを示す。

(4) (3) の状況で、$\phi$ を微小角度 $\Delta \phi$ 変化させたとき、単位ベクトル $n_\phi$ を求める。

2. 解き方の手順

(1) $\theta$ と $\phi$ を固定し、$r$ のみを変化させるので、位置ベクトルの変化は動径方向のみとなります。したがって、単位ベクトル $n_r$ は位置ベクトルの単位ベクトルに等しくなります。球座標における位置ベクトルは

$r = (r \sin\theta \cos\phi, r \sin\theta \sin\phi, r \cos\theta)$ で表されるので、

$\frac{\partial r}{\partial r} = (\sin\theta \cos\phi, \sin\theta \sin\phi, \cos\theta)$。

よって、$n_r = (\sin\theta \cos\phi, \sin\theta \sin\phi, \cos\theta)$

(2) $r$ と $\phi$ を固定し、$\theta$ のみを変化させるので、単位ベクトル $n_\theta$ は位置ベクトルを $\theta$ で偏微分したものを規格化することで得られます。

$\frac{\partial r}{\partial \theta} = (r \cos\theta \cos\phi, r \cos\theta \sin\phi, -r \sin\theta)$

よって、$n_\theta = (\cos\theta \cos\phi, \cos\theta \sin\phi, -\sin\theta)$

(3) $r$ と $\theta$ を固定し、$\phi$ を変化させたとき、z座標は変化しません。xy平面上の軌跡は $r \sin\theta$ を半径とする円になります。なぜなら、$x = r \sin\theta \cos\phi$, $y = r \sin\theta \sin\phi$ なので、$x^2 + y^2 = (r \sin\theta)^2$ が成立します。

(4) $r$ と $\theta$ を固定し、$\phi$ のみを変化させるので、単位ベクトル $n_\phi$ は位置ベクトルを $\phi$ で偏微分したものを規格化することで得られます。

$\frac{\partial r}{\partial \phi} = (-r \sin\theta \sin\phi, r \sin\theta \cos\phi, 0)$

よって、$n_\phi = (-\sin\phi, \cos\phi, 0)$

3. 最終的な答え

(1) $n_r = (\sin\theta \cos\phi, \sin\theta \sin\phi, \cos\theta)$

(2) $n_\theta = (\cos\theta \cos\phi, \cos\theta \sin\phi, -\sin\theta)$

(3) 半径は $r \sin\theta$ である。

(4) $n_\phi = (-\sin\phi, \cos\phi, 0)$