関数 $f(x)$ について、以下の3つの問題を解く。 (1) $\frac{d}{dx} \int_{a}^{x^2} f(t) dt$ (2) $\frac{d}{dx} \int_{2x+1}^{x^3} f(t) dt$ (3) $\frac{d^2}{dx^2} \int_{a}^{x} (x-t)f(t) dt$ ただし、$a$ は定数であり、$f(x)$ は(1)(2)では連続、(3)では微分可能とする。

解析学微積分積分微分微積分学の基本定理関数の微分
2025/6/10

1. 問題の内容

関数 f(x)f(x) について、以下の3つの問題を解く。
(1) ddxax2f(t)dt\frac{d}{dx} \int_{a}^{x^2} f(t) dt
(2) ddx2x+1x3f(t)dt\frac{d}{dx} \int_{2x+1}^{x^3} f(t) dt
(3) d2dx2ax(xt)f(t)dt\frac{d^2}{dx^2} \int_{a}^{x} (x-t)f(t) dt
ただし、aa は定数であり、f(x)f(x) は(1)(2)では連続、(3)では微分可能とする。

2. 解き方の手順

(1)
F(t)=f(t)F'(t) = f(t) となる F(t)F(t) を考える。微積分学の基本定理より、ax2f(t)dt=F(x2)F(a)\int_{a}^{x^2} f(t) dt = F(x^2) - F(a) となる。
したがって、
ddxax2f(t)dt=ddx(F(x2)F(a))=F(x2)2x=f(x2)2x\frac{d}{dx} \int_{a}^{x^2} f(t) dt = \frac{d}{dx} (F(x^2) - F(a)) = F'(x^2) \cdot 2x = f(x^2) \cdot 2x
(2)
F(t)=f(t)F'(t) = f(t) となる F(t)F(t) を考える。微積分学の基本定理より、2x+1x3f(t)dt=F(x3)F(2x+1)\int_{2x+1}^{x^3} f(t) dt = F(x^3) - F(2x+1) となる。
したがって、
ddx2x+1x3f(t)dt=ddx(F(x3)F(2x+1))=F(x3)3x2F(2x+1)2=f(x3)3x2f(2x+1)2\frac{d}{dx} \int_{2x+1}^{x^3} f(t) dt = \frac{d}{dx} (F(x^3) - F(2x+1)) = F'(x^3) \cdot 3x^2 - F'(2x+1) \cdot 2 = f(x^3) \cdot 3x^2 - f(2x+1) \cdot 2
(3)
まず、積分を分解する。
ax(xt)f(t)dt=axxf(t)dtaxtf(t)dt=xaxf(t)dtaxtf(t)dt\int_{a}^{x} (x-t)f(t) dt = \int_{a}^{x} xf(t) dt - \int_{a}^{x} tf(t) dt = x \int_{a}^{x} f(t) dt - \int_{a}^{x} tf(t) dt
次に、xx で微分する。
ddxax(xt)f(t)dt=ddx(xaxf(t)dtaxtf(t)dt)=axf(t)dt+xf(x)xf(x)=axf(t)dt\frac{d}{dx} \int_{a}^{x} (x-t)f(t) dt = \frac{d}{dx} \left(x \int_{a}^{x} f(t) dt - \int_{a}^{x} tf(t) dt\right) = \int_{a}^{x} f(t) dt + xf(x) - xf(x) = \int_{a}^{x} f(t) dt
さらにもう一度、xx で微分する。
d2dx2ax(xt)f(t)dt=ddxaxf(t)dt=f(x)\frac{d^2}{dx^2} \int_{a}^{x} (x-t)f(t) dt = \frac{d}{dx} \int_{a}^{x} f(t) dt = f(x)

3. 最終的な答え

(1) 2xf(x2)2x f(x^2)
(2) 3x2f(x3)2f(2x+1)3x^2 f(x^3) - 2 f(2x+1)
(3) f(x)f(x)

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